頚の痛み

すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。

症例2 後頸部(頸スジ)の痛み 

患者

女性 40代

来院

2016年9月

症状と来院理由

3年ほど前から、後頭部の下辺りが痛くなり、上を向くことができなくなった。増悪すると、「耳の中を通っているスジが引っ張られ詰まる感じがする」とのこと。整形外科を受診すると、「ストレートネック」と診断された。電気治療や湿布をするが、改善しない。自宅では、ストレートネック用の枕を使うが上を向くことが辛く苦しい。痛みがひどい時は、痛み止めを服用している。会社近くの整体に行き、「筋肉の緊張が原因」と判断された。施術を受けたところ、頸の緊張が解け、症状が若干改善した。
1ヶ月前に頸の痛みがひどくなり、我慢できず、大手のマッサージチェーン店に行くが、却って辛くなった。現在は、頸の痛みがひどく、左肩から上腕の辺りがたまに痛む。痛みで仕事に集中できないため、鍼灸治療を受けようと決断。インターネットで調べ、当院を知り来院された。

鍼灸_頸スジの痛み_症例図_YFHT

治療の経過と結果

実際に動いて症状を確認すると、顔を上を向ける動作以上に、顔を下に向ける動作で左頸部の痛みが増悪することがわかった。その際に痛む位置に顕著な硬結(筋肉の緊張)があった。この硬結を緩めるため、背中のツボに鍼を行うと、直ちに痛みがすべて消失。合わせて、上を向く動作も改善し、左肩にも違和感も消えた。他に痛む場所がないことを確認した後、バランスを安定させる目的で背中に鍼を一本追加し、施術を終了した。

同時に治療した症状

なし

使用した主なツボ

T4(3)L T12(3)L

考察

頸部の痛みが1本の鍼で消失したケース。ご本人の訴えの通り、顔を上に向ける動作に問題があることは確かであったが、下に向ける動作にも問題があった。問診で日常生活について尋ねた際に、仕事でパソコンやスマートフォンを使うことが多いという情報を得ていたので、顔を下に向ける動作も試して頂いたところわかった。このように問診で得た情報を元に負荷や原因の在りかを探ったことが、良好な結果に繋がった。患者さん自身の訴えに耳を傾けつつ、そこから専門家としての目で根本的な原因を見つけられるかどうか。ここに早期に症状を改善するポイントがあると言える。[YFHT300816]


症例1

患者

男性 60代 伊勢崎市

来院

2010年10月

症状と来院理由

10年以上前から頚と肩に痛みがあり、慢性的な状態になっていた。整体やマッサージなど試してきたが、どれでも良くならず塗り薬で症状をごまかしながら生活していた。今年の2〜3月頃から症状が悪化したため整形外科を受診。X線撮影では原因がはっきりしなった。処方された薬では全く改善せず。

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の経過と結果

頚の回旋可動域が極端に狭くなっていた。聞いてみるとクルマの運転で支障が出るほどであった。施術においては、この可動域を広げることに主眼を置いた。1回目の施術の後、可動域が広がったものの、痛みの変化は体感できなかった。2回目の施術後から体感的な変化を感じはじめ、3回の施術後から生活の中ではっきりとした改善を実感できるようになる。4回目の施術後、9割まで回復したとの感想。5回目の施術後は完璧に近い状態にまで回復した。1〜5回の施術で頚の回旋可動域も大幅に改善した。

著しい効果が見られたツボ・活法

中府(右)、雲門(左)、曲池穴周辺の穴(左右)

まとめ

10年以上前からの症状であったが、頚の動き(可動域)に着目したことで問題点が明らかになり、比較的短期間(1ヶ月以内)に改善したと思われる。痛みの部位(頚)には問題点が見あたらず、背中、胸、腕の筋肉のこわばりを緩解させることで頚の症状が改善したことで、根本的な原因が頚になかったことになる。

[YMJK18102010]

症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。