腹痛

すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。

症例1

患者

男性 60代 群馬県

来院

2006年5月

症状の特徴と経過

18年前に胃癌で全摘手術。2005年12月、みぞおちに痛み。胃癌の再発は見られない。その後痛みは緩解したが、2006年、腹痛が再発。検査したが異常なし。結果、過敏性大腸症候群と診断された。初診時、ストレスによりみぞおちにジーンとつれるような不快感、下腹部全体の張り、右下腹部の痛み。病院で処方された薬を服用していても回復しないため来院した。

既往歴(これまでにかかった病気)

40年前に虫垂炎。2年前に前立腺肥大症。

治療の内容と経過

ストレスによる影響を緩和させるように意識し、胃腸の動きを活発にするように処置。1回目の施術の後、疲労感があった。2回目の後、食事をおいしいと感じるようになる。5回目後、腹部がポカポカしてきた。8回目後、腹痛が消える。その後、体全体の調子も上がっていくが、右下腹部の痛みが残る。11回目後、右下腹部の痛みも緩解。その後、徐々に緩解。減っていた体重が元に戻った。症状が落ち着いた後もケアで通院した。合計35回で通院終了。

著しい効果が見られたツボ

三陰交、足三里(右)、合谷(右)、太白(左)

まとめ

検査して異常がないと診断された腹痛であったが、腹部を触診してみると、訴えの部分には強いつっぱり感があった。東洋医学的に診ると顕著な異常であった。西洋医学的な所見で異常が見られなくても辛い症状の典型例であった。

症例2

患者

男性 10代 群馬県

来院

2008年4月

症状の特徴と経過

小学生の頃から食後に腹痛を感じることが多く、下痢を伴うことが多かった。腹痛部位は胃の付近。

随伴症状(その他の症状)

頭痛…目の奥に痛みを感じ視界が歪む

既往歴(これまでにかかった病気)

1年前に特発性血小板減少性紫斑病。

治療の内容と経過

腹痛の問題を胃に求めず、体の各部位の緊張を和らげれば治るだろうと推測した。背中や肩などの筋肉にこわばり(こり)を持っている場合は胃に影響してしまうことが経験上しばしば見られる。腹痛の他に頭痛を抱えていることからも、肩、背中へのアプローチは欠かせないと考えた。1回の施術で腹部の違和感は解消され、1ヶ月経過しても腹痛は現れていない(その間は別症状で通院)。頭痛も1か月間、全く発症していない。

著しい効果が見られたツボ

合谷

まとめ

訴えのある部分に問題解決の糸口があるとは限らない、ということは東洋医学では常識である。今回の症例は東洋医学的な視点が効果を発揮した典型例である。大人に成長する過程で心身のアンバランスは生じやすいが、一旦回復すると極めて早いことが特徴である。

症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。