ばね指(弾撥指)

すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。

症例1 

患者

初産婦(妊娠29週) 30代 群馬県

症状

ばね指(弾撥指)

他の症状

悪阻(つわり)

来院

2012年7月

症状の特徴と経過

2週間前から左手の中指を曲げ伸ばしする際にカクカクとひっかかるようになった。軽い痛みも伴う。整形外科で「ばね指」と診断された。「妊娠中だから仕方ない」ということで治療はしなかった。当院へは悪阻を治すために来院したが、悪阻と一緒にばね指も治療することになった。

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

ばね指で問題になっていることが多いのは、前腕の筋肉のこわばりである。指を動かす筋肉は前腕にあるため、腕の疲労が蓄積すると指に大きな負荷がかかってしまう。腕から指にかけて突っ張っている状態と考えられる。さらに、指、腕、肩、背中までを一つの運動システムとして考えると、これらの連動性に狂いが生じている。活法の技により、この連動性を回復させ、背中のツボで指の腱鞘の炎症を抑えようと試みた。1回の施術でカクカクが完全になくなり痛みもほぼ消失した。

著しい効果が見られたツボ

ばね指を治療した時のツボ挟脊穴(胸椎4番付近)

まとめ

発症から2週間と新しい症状のため、その場で症状が消失した。活法によって筋肉の連動性を整え、鍼によるツボ刺激によって炎症を抑えるという発想で施術した。妊娠中のばね指は治療されずに放っておかれることが多いだけに、このようにシンプルで副作用のない施術によって改善する事実は重要であると考えている。

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[YFAO300712]

症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。