咳(せき)

すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。

症例

患者

女性 20代 群馬県/伊勢崎市

来院

2012年9月

症状の特徴と経過

4月にストレスを感じる出来事があった。6月には生活が忙しくなり、夜中には咳が止まらなくなった。吸入薬を使用するが改善せず。8月には膀胱炎を患い、抗生物質で沈静化(抗生物質を止めると再発という状態)。9月に風邪を引き咳が激しくなった。仕事に行けず、睡眠も満足に取ることができなくなった。吸入薬や効果なし。来院前夜は一睡もできず。

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

2〜3ヶ月の咳症状によって、呼吸筋が著しく疲労していた。呼吸の際に必要な肋骨の動きも悪く頚や喉も緊張していた。この緊張を緩和させるように、手足のツボを中心に使用した。緊張を緩和させることで、本来の肺機能を回復させようと考えた。その結果、数日後には咳が減り始め、1週間後には症状が消えた。一度の施術で完治。

著しい効果が見られたツボ

尺沢(左)、夾脊穴(胸椎4番)、屋翳、太衝

まとめ

呼吸筋の過度な緊張によって、肺が十分に機能せず、空気(酸素)の出し入れが十分にできなかった。咳は、この状態を脱しようとする防衛反応として起きていると考えた。夜間悪化するのは、横になって肋骨が圧迫されることで呼吸を妨げることが原因であると考えた。十分に息を吐くことができないため、咳という“勢い”を借りて対処する姿だと解釈できる。この施術は、咳を止めることを目的とせず、正常な呼吸を回復させることに主眼を置いた。その結果、咳に頼った呼吸の必要がなくなり治癒したと言えるのではないか。

[YFKA240912]

症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。