頭痛・めまい・肩こり

すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。

症例10 頭痛 普段はグーと痛み、ひどいとズキンズキン

患者

男性 40代

来院

2016年11月

症状と来院理由

日常的に頭痛に悩まされている。普段は「グー」と、頭に重たい感じがあり、ひどいときには「ズキンズキン」と痛みがある。バファリンやロキソニンを飲むことが多い。最近、頭痛がひどく、鼻詰まりもある。背中を叩くと症状が楽になる。花粉が飛ぶ季節は、頭痛や鼻詰まりがひどくなることが多くこれからの季節に不安がある。職場の同僚(当院に通院歴あり)に勧められ来院。

頭痛(グー、ズキンズキン)の症例(鍼灸/群馬県伊勢崎市)

治療と経過

肩甲骨の内側に顕著な緊張がみられた。この緊張を緩めるのに、臀部のツボに鍼をすると、すぐに緊張が緩和。さらに脚のツボを追加し、背中の緊張を解いた。直後、身体が軽く、鼻の通りが良いとのことで、初回の施術を終えた。前回から頭痛はなく、鼻の通りも良いとのこと。4診目に、軽い頭痛が見られたとの報告があったが、すぐに治まったとのこと。残った背中の緊張を解き、症状が消失していることを確認。その後の施術で状態が安定し、計8回で終了した。花粉の飛ぶシーズン(2月)に入ったが、例年感じていた鼻詰まりが出ていないとの感想を頂いている。

同時に治療した症状

花粉症

使用した主なツボ

胞膏LR 条口LR 承山L

考察

「背中を叩くと楽になる」ということから背部の緊張が頭痛に関係していると考えた。実際に、背部の緊張は、頭痛治療における重要なポイントである。なぜなら、「頭痛−頚部の緊張−背部の緊張」という密接な関係があるからである。しかも、背部の緊張は花粉症との関連も深い。共通点にアプローチすることで、2つの症状(頭痛と花粉症)を同時に解消できた。[YMTZ181116]

症例9 フワフワする感覚(思考力低下) 

患者

男性 30代

来院

2017年1月

症状と来院理由

2年ほど前から、身体がフワフワした感覚になり、頭がボーとする。疲れが溜まることで症状が増悪する。2016年12月、仕事が忙しく、「普段より思考能力が明らかに低下する」感覚に陥ったとのこと。年末年始で休息は取るものの症状は治まらない。さらに、休んだことで気が抜けたのか前頭部に痛みが出現。仕事に支障を来たしているので、来院歴のある当院に相談に来られた。

フワフフする感覚(鍼灸/群馬県伊勢崎市)

治療と経過

脊柱を触診をすると顕著な緊張をみつけた。足首と手の甲のツボに鍼をすることで、脊柱の緊張が解けた。3日後の来院時、施術後から症状が7割消え、前頭部の痛みは消失していた。この日は残っている脊柱の緊張を解いて終了。3回目の施術で、症状が消失しているのを確認。体調を安定させるよう施術を行って仕上げとした。計3回の施術で完治。

同時に治療した症状

頭痛

使用した主なツボ

水泉R 項強R

考察

フワフワした感覚はめまいの一種だと考えられる。こういった場合、脊柱の問題が関係していることが多い。仕事で手や足に負担をかけ、その蓄積された疲労が脊柱の緊張を招いたと読んだ。脊柱の緊張があると、様々な症状を引き起こす場合が多く、今回のめまいもその例である。手足には体軸の要である脊柱を調整するツボがある。こうしたツボを活用すると、症状を早期に改善できる。[YMSY131117]


症例8 座り作業による、肩こりと 腰痛 

患者

男性 40代

来院

2016年12月

症状と来院理由

来院の3日前に歯科医院で歯の治療の最中、強いめまいに突然襲われた。めまい専門の整体院で施術を受け、めまいが緩和した。12月に入ってから、仕事の内容が変わり、長時間椅子に座って作業することが増えた。細かな手作業で身体を丸めて作業することが多く、腰に痛みが出た。以前からあった肩こりも同時にひどくなり、来院歴のある当院に相談があった。

肩こりと腰痛(座り作業のし過ぎ)の症例(鍼灸/群馬県伊勢崎市)

治療と経過

座位での作業が、大腿部の裏側や臀部を緊張させ、腰痛となったと推測される。さらに腰部や臀部の緊張は肩こりを招くことから、「大腿−腰−肩」を同時に調整しようと考えた。さらにいえば、歯科医院で発症しためまいも肩こりとの関連が疑われる。前腕や大腿の緊張を解くと、臀部と肩の緊張が同時に緩和した。違和感が残る若干残る程度となった。さらに臀部に鍼をすることで、さらに全身の緊張が解け、違和感も消えた。

同時に治療した症状

腰痛

使用した主なツボ

殷門R 四瀆R 胞膏R

考察

歯科医院で起きためまいは、すぐに治ったことから、頚肩の血流不全が内耳に影響し起こったと考えてもよいだろう。肩こりを改善しておけば、めまいの再発を防げると考えた。その肩こりの原因となっていたのが臀部や大腿の筋肉である。このように長時間の座位で大腿部や臀部が圧迫されていると、肩こりや腰痛の原因になる。なかなか改善しない肩こりや腰痛は、臀部や大腿部に原因があることがあり、見逃せないポイントである。[YMMG071216]

症例7 おでこと目の奧が痛む頭痛

患者

女性 40代 群馬県/伊勢崎市

来院

2014年5月

症状の特徴と経過

数ヶ月前から頭痛(おでこ・目の奥)が増えてきた。2週間前にも大きな頭痛と吐き気があったが病院には行かず自宅で我慢していた。いったん治まったが、一昨日から再び強い頭痛と吐き気に襲われ、昨日に脳神経外科を受診。MRI検査で異常なし。昨日から偏頭痛の薬(マクサルト)を飲んでいるが治まらず、今朝になって軽くなった。受診時の午前10時頃の頭痛は軽め。ただし、吐き気が強く起きているのがツライ状態(ベッドに横になっている方がラク)。養気院_頭痛_症例_07

治療の内容と経過

起きている状態では吐き気がツライため、すぐにベッドに横になった頂いた。膝と足首のツボを用いて、右の肩甲骨の内上角を緩めた。吐き気がすぐに軽くなってきた。続けて左側も同様に緩めた。すると、起きていても吐き気を感じない状態に。その時点で、右のおでこに軽い痛みが残っていたので、肩甲骨の内上角にあるツボを使ったところすぐに消えた。辛そうな表情で来院したが、帰る頃には笑顔がみられた。1週間後の来院での尋ねてみると、直後から吐き気が消えて、頭痛は「モワ〜ン」とする軽い感覚が残っていたが徐々に消え、6日後にはスッキリしたとのこと。

同時に治療した症状

なし

使用した主なツボ

膝陽関RL 懸鐘RL おろしR

考察

いわゆる偏頭痛において吐き気が伴っている場合、肩甲骨内上角に独特な硬さが出現している。吐き気を伴っている状態では入念にチェックするようにしている。一般的に治りにくいとされている偏頭痛であるが、肩甲骨に特徴が出現するので見逃さなければ、それほど難しい症状ではない。

[YFON160514]

症例6 

患者

男性 30代 群馬県/前橋市

来院

2014年5月

症状の特徴と経過

3年前、突然右腕に痛みと痺れ(しびれ)が出現。整形外科に行き、最初の2院では痛み止めを処方され、最後の3院目では「胸膈出口症候群」と診断され、筋肉を緩める薬と胃薬を処方され飲み続けたところ2ヶ月で症状が消失した。2ヶ月前、再び同様の症状が出現したが、直感的に薬では根本解決にはならないと考え病院には行かず。当院の噂を聞いて来院。頚から肩にかけてコリ感があり、肘を中心に痺れがある。痺れが強くなると痛みが加わる。書き物をしている時に最も悪化しやすい。

養気院_症例_肩こり_06

同時に治療をした症状

腰痛

治療の内容と経過

頚を確認すると頚椎の3番付近に強い硬結(筋肉のこわばり)があった。このポイントを起点に肩こりが生じ、肩こりが腕の痺れを引き起こしていると考えた。さらに、頚と仙骨との関係に着目し、仙骨から頚を整えることにした。仙骨のツボに鍼をすると、肩こりが消失。同時に腕のしびれがほとんど消えた。頚の動き整えておくために、胸椎にあるツボを使用。

使用した主なツボ

次髎R T7(1)

まとめ

仙骨のツボに行った鍼1本で、肩こりと腕に痺れのほとんどが消えたことから、仙骨が発端になって症状が出たと推測できる。このように、一見すると症状と関係なさそうなところに深い関係があることがあり、触診を怠るとたどり着くことができない。「胸郭出口症候群」という診断名は妥当かもしれないが、診断名には身体の癖が含まれていないため、診断名に捕らわれずに柔軟に発想することが大切であると再認識した症例であった。

[YMYS170514]

症例5

患者

女性 40代 群馬県/伊勢崎市

来院

2013年6月

症状の特徴と経過

1〜2週間前から頭痛が始まり、この2、3日が特にひどい。突然左の後頭部がズキンズキンと痛み出す。目を開けているだけでも辛い。特に朝と晩が強い。吐き気を伴う。頭の表面にもピリピリとした痛みがあり、くしで髪の毛を引っ張られるような痛み。

既往歴(これまでにかかった病気)

耳鳴り(当院にて治療中)

治療の内容と経過

腰と肩のツボに鍼をすると、後頭部(左)の痛みが軽減しズキンズキンとする痛みが消えた。続いて後頚部のツボを使ったところ大きな手応えがあった。それから症状はピタリと治まり、それから1ヶ月(次の診察)まで全く症状が出ていない。

著しい効果が見られたツボ・活法

後頚部のツボ=C4(3)の左

まとめ

頭痛に関わる肩こりを解消させることが大切であると考えている。この症例でも左後頚部の頭痛に関連すると思われるポイントをしっかり緩めてラクにすることで頭痛も一緒に解消している。頭痛だけを治そうと思うと難しいが、このように関連する肩こりを緩和させると頭痛がすんなり治ってしまうことは珍しくない。技術的なポイントは頭痛のパターンに合わせてツボを選ぶことである。

[YFSY220513]

症例4

患者

女性 50代 埼玉県/上里町

来院

2009年3月

症状の特徴と経過

5年くらい前からストレスを感じると、頭痛、発熱が起こり肩こり(頚こり)を感じる。その後、心臓がドキドキすると同時気持ち悪くなり、嘔吐をする。このようなことが、数ヶ月に1度に頻度で起こっていた。軽い頭痛の際は、嘔吐には至らない。

他の症状

腕がだるい

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

頚、特に右側のコリを解消させるように施術を行った。腕の疲労が頚に影響していると考えた。また、肩甲間部(肩甲骨の間)のコリが動悸や吐き気に影響していると考え、同時に解消させた。1回の施術で、その後1年無症状が続き、2年後からは時々頭痛がすることがあっても嘔吐に至ることはなかった。3年が経過した頃から、頭痛に伴う嘔吐が2回あったため、初診から3年半後に2回目の来院。状態を確認すると初診と同様の症状であり、同様の所見だったため、初診に倣って施術を行った。

著しい効果が見られたツボ・活法

合谷(右)、心兪(右)、カスミ、顎関節調整

まとめ

まさに「ツボにはまった」と言える症状である。症状の原因と治療方針がピタリと一致したため5年間の症状が1回の施術で治ってしまった。再発の原因は精神的な負荷であった。その負荷が身体のどこに変調をもたらすのか観察することにって、予防が可能であると思われる。今回の症例は劇的に改善した一例。通常は日頃のケアが大事である。

[YFMS230309]

症例3

患者

男性 20代 群馬県

来院

2008年5月

症状の特徴と経過

半年くらい前から肩、背中に強いコリを感じ、時々、右側頚部には「ピキッ」という痛みが走る。コリが強くなってくると頭部(右 側)に「ズキン、ズキン…」といういう痛みを感じる。最近は左右の目の奥が痛むようになってきた。また、目に疲れがあり光をまぶじ く感じる。運動、ストレッチ、食事の改善を試みたが、症状に変化の兆しが訪れないため来院。会社には4年前に入社。入社後から胃腸の調子が優れ ない。

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

半年前の発症時にきっかけや環境の変化があったかどうか確認した。職場が変わった時期であったが内容に変化はなく、ストレスが 増えたという心当たりもないとのことだった。問診ではたどり着けなかったが、本人も気がつかない変化が肉体に影響した可能性も心の 隅におきながら施術をすることにした。触診すると、訴えの通り右側頚部の筋肉のこわばりは著しかった。このような頚の強いこりは頭 痛を誘発することが多いため、この症状における最重要ポイントとした。胃腸の調子を調えるツボを使用した後、頚と背中(肩甲骨の間 )のこわばりを緩めた。その際、左右のバランスを調えるよう配慮した。1回目の施術でほとんどのこりが解消した。続けて施術を受ける必要がないと思われたので初診で治療を終えた。

著しい効果が見られたツボ

足三里(右)、膏肓(右)、附分(右)

まとめ

コリは早めに解消しておかないと悪循環に陥り、休息や気分転換だけでは解消が難しい。放っておくと二次災害的に 別の症状が生じることがある(この例では頭痛や目の奥の痛み)。施術では「力を抜くきっかけ」を演出するように心がけた。背後に大きな原因がなかったと見えて、体の筋肉は短期間で柔らかく変化した。

[YMYS20080524]

症例2

患者

女性 30代 群馬県

来院

2007年11月

症状の特徴と経過

中学1年生の頃、閃輝暗点が出現。「目がチカチカ→頭痛→気持ち悪くなる→嘔吐→ラクに」という症状。このような症状が頻繁に起こっていたが、年齢を重ねるに従い減少していった。しかし、一年くらい前から再発し、ここ一年で偏頭痛(閃輝暗点)が10回程度起こっている。2007年10月には3回。

閃輝暗点

突然、目の前がチラチラ光り、ノコギリの刃のようなギザギザしたモノが現れます。そのギザギザが大きくなったり、形を変えたり、動いたりします。その部分の映像は見えなくなります。場合によっては視野の片側がまったく見えなくなったり、中心部がぼやけて見えにくくなったりします。出現する状況によって、出現している時間はバラバラのようですが、10〜20分程度、その光やギザギザが視界をさえぎります。(≫詳細

他の症状

下痢(緊張時)、冷え(足、腰)

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

触診をすると、右側の頚、背中(肩甲骨付近)、鎖骨周辺のコリが強く、左右差が際立っていた。この左右差が偏頭痛の原因になっていると考え、上半身の左右のバランスを調えるように施術を行った。2週間に1回のペースで4ヶ月間の治療を行っているが、その間一度も偏頭痛は発症していない。現在もケアのために通院中。

著しい効果が見られたツボ

合谷(右)、風池(右)

まとめ

閃輝暗点を伴う頭痛は不安感が強く辛い症状ではあるが、鍼灸で直ちに解消することが多い。ただ、吐き気を伴う場合は(自覚症状の有無に関係なく)胃に問題を抱えている場合があるので、頭痛だけでなく胃腸のケアも重要であると思う。

[YFYA20071110]

症例1

患者

女性 30代 群馬県

来院

2006年1月

症状の特徴と経過

4〜5年前から、肩から頭にかけての痛み(右)、目の奥(右)に痛みを感じる時がある。目を使ったり、疲労すると悪化。ドライブ、長距離の移動でも増悪し、発症時は食事をすると気持ち悪くなる。睡眠をたくさんとると緩解することが多い。ここ数日症状が強いため来院。初診時の症状の強さは軽め。

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

体の特徴を診ると、右頚部、右肩、背中のコリが強い。右目の症状とこれらのコリには深い関係があると判断した。また、左足首の内側周辺に冷えが強いため、右上と左下でのバランスを調える必要性を感じた。右上と左下を意識した治療を行った。1回目後、目の奥が気にならなくなったが、頚(後)と背中のコリが残った。2回目後、症状はほぼ消失。一旦は治療を終了したが、2ヶ月後調子が悪くなったため来院。その後、調子が崩れそうになるとケアのため来院。

著しい効果が見られたツボ

後谿(右)、風池(右)、復留(左)

まとめ

体のバランスの乱れが原因で疲労が右上に溜まりやすい状態であった。右目の奥の痛みは肩こりの延長として考えて治療し成果が上がった。このように肩こりを解消するだけで頭痛や目の痛みが緩解するケースは多い。検査では見えない症状だけに、このような症状で苦しんでいる方が多いのではないかと思う。

[YFNO20060112]

症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

 

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