技術の追求

手だからできること ──

養気院が“手”にこだわっているのは、機械が嫌いだからではありません。手でなければ感じ取れないツボがあるからです。あなたの“つらさ”に手をあてることから施術は始まります。

技術とは

鍼灸師技術とは、鍼を上手に刺し、お灸を上手にすえるだけではないと考えています。患者さんの身心を正確に理解し、共感することが最も大事だと思います。その上で手の感性を磨いています。

体に症状があっても、“辛い”と感じるのは心。心も一緒に健全な状態に導くことを大切にしています。

ツボを見つけられるのは指だけ

鍼灸師の手体のどこかに異常があると経絡(気の通り道)を通じて、皮膚や筋肉に変化が起こります。
この変化がいわゆるツボです。鍼灸をする上で大事なのは、変化のあるツボを探すことです(変化のないツボに鍼灸をしても体はよくなりません)。

ツボの変化には、緊張、陥没、突出、温度、発汗など様々なものがあり、実際にはそれらの変化が組み合わさって一つの顔を見せています。その微妙な表情を読み取れる唯一のセンサーが手です。

ツボとの対話

ツボの反応を診るツボは生きています。鍼がツボにあたるとツボは反応します。その反応はとても小さなものですが、確実に指に伝わってきます。
鍼は、ツボ(体)との対話です。鍼灸師がツボに問いかけをすると応えてくれます。鍼に圧を加えたり、ちょっと動かしたり…。機械では感じ取れない微細な反応ですが、それを読み取るのが鍼灸師の仕事です。この微細な世界に大きな可能性があります。

お灸の熱を操る

超極小灸お灸の種類はさまざまです。特に鍼灸師の技が生かされるのが「透熱灸」というタイプのお灸です。米粒の半分くらいの艾(もぐさ)が標準です。このサイズは「半米粒大(はんべいりゅうだい)」と呼ばれています。形状は円錐形に仕上げてすえます。鍼灸師がすえるお灸は一般的なイメージとはだいぶ違っています。火傷(やけど)をさせないソフトな刺激です。
当院では、半米粒大よりさらに小さいサイズのお灸を標準とし、熱量を幅広くコントロールしています。この微調整はプロの手でなければ不可能です。

合理性より大事なこと

合理的に施術を行うことはとても大切です。しかし、当院はあえて「手間」にこだわっています。
たとえば、温熱機器で速やかに体を温めることは可能です。でも、それは外部から入ってきた熱が体内に入ってきただけです。心身を好転させるために必要なのは、内部から生まれるぬくもりだと考えています。鍼やお灸をすると、体内の循環が改善され内側がポワーッとしてきてます。この感覚は機械では味わえない独特のものです。