吐き気・嘔吐
症例1
患者
女性 20代 埼玉県
来院
2005年8月
症状の特徴と経過
2年前、仕事で疲労が蓄積していた頃、眠れなくなった。半年後、病院に行き「自律神経失調症」と診断された。疲労を軽減させるために労働時間を短くした(→4時間)。しかし、症状が緩和されず睡眠障害が目立ってきたため来院。吐き気、嘔吐(時々)、肩こり、頭痛を治したいとのこと。医師から処方された薬を服用中。
他の症状
不眠、肩こり、頭痛、耳鳴、月経痛(生理痛)既往歴(これまでにかかった病気)
特になし
治療の内容と経過
初回、肩こりを緩和せさようと働きかけるものの、症状に変化なし。2、3回目も特に変化なし。4回目の施術で肩こりに焦点を当てず、全身の緊張を和らげるように方向転換。結果、吐き気が夜間のみに減った。5回目後、肩こりが緩和した。6回目後、夜間の吐き気が減少し、同時に頭痛の軽減、後頚部のこりの軽減が見られた(肩こりはむしろ増悪…触診では軽減)。7回目後、吐き気がほぼ消失し、頭痛が消失した(肩こりは残った)。睡眠障害は軽減されず、睡眠導入剤を手放すことができず。その後も環境の変化やストレスで体調を崩しやすかったためケアのために時々来院。就労時間を元に戻せるまでに回復した。
著しい効果が見られたツボ
太衝(右)、合谷(右)、三陰交(左)まとめ
精神、体力ともに弱っている状態であったため、施術は必要最小限に止めるべきであった。しかし、1〜3回目は肩こりの緩和にこだわりすぎて、深追いをしすぎてしまった。4回目以降、肩こりに目をつむって全体に目を向けてから著しい効果が見られた。戦略ミスにより、得られるはずの効果を失った反省すべき症例である。
[YFIS20050826]
症例2
患者
女性 20代 群馬県
来院
2008年3月
症状の特徴と経過
スポーツクラブのインストラクター。レッスンの講習のため夜9時頃から約30分間プールに入った。いつもはジャグジーで温まってから終了するが、この日は次の予定が続いていたため、軽くシャワーを浴びるのみ。日付が変わって、翌朝の5時、気持ち悪さで目が覚めた。その直後から嘔吐を3回。夜間救急を受診し整腸剤を処方された。その後も嘔吐を3回、近くの医院で点滴を受けて症状が落ち着く。2日後、嘔吐や吐き気は解消されていたが、腹部の気持ち悪さがとれない状態で来院。触診すると、下腹部の冷えが著しかった。
他の症状
肩こり既往歴(これまでにかかった病気)
緑内障、胃腸虚弱(体質的)
治療の内容と経過
東洋医学には、六経(りっけい)弁証というものがある。これは、風邪(感冒)を六段階に分ける方法で、その段階によって治療法を変える。この症状は六経弁証でいうところの、少陽病だと判断した。この少陽病について簡単に説明すると、風邪の初期症状によく見られる、寒気、くしゃみ、鼻水、頭痛などの症状を一気に通り越して、内臓の働きに影響が及んでしまったものである。もともとの体質的な胃腸の弱さに疲労が重なり、発熱のきっかけが作れなかったのかもしれない(発熱は風邪を追い出す反応なので、発熱しない方が症状が重くなる)。この場合、みぞおち辺りの緊張が強くなり胃に影響し嘔吐をすることがある。
治療は、体の表面に体温が巡るように働きかけると同時に、腸の働きが正常になるようにフォローした。
使用したツボ
外関(右)、気海兪(右)まとめ
このような症状は東洋医学の得意とする分野である。風邪の症状を六段階に分けるという発想は西洋医学にはないため、このような症状に対しては胃腸にフォーカスするであろう。東洋医学からみれば、胃腸そのものに原因があるわけではなく、胃腸は二次的にダメージを受けているにすぎない。
[YFYN20080319]
症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

