顔面のこわばり(違和感)

すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。

症例2 

患者

女性 40代 群馬県/安中市

来院

2013年2月

症状の特徴と経過

約半年前から顔面(頬より下)に重さを感じるようになった。夕方の方が症状が強い。耳鼻科、皮膚科、口腔外科を回ったが原因がわからず治療せず。MRIでも異常がなかったため「精神的なものではないか」と言われた。他に方法がないかネットで検索し当院を知り来院。

他の症状

なし

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

問診で「10年前から氷をよく食べている」ことがわかった。特に左で噛むことが多い。症状が出た半年前は、外国から帰国した約1ヶ月後。環境が大きく変わり精神的な負担も大きかった時期であると推測した。

実際の違和感を生じさせている神経は三叉神経であると思われるが、その三叉神経に影響を与えているのは顎の関節にあると考えた。顎の関節を活法(古武術整体)により、緩めるとすぐさま症状が消失。状態を安定させるため(予防するため)、活法で左腕の緊張を取り、鍼(ツボ)によって頚(左)の緊張を緩めて仕上げた。

著しい効果が見られた活法

顎関節の調整(2種類)

まとめ

この症例は、鍼を使う前に症状が完全に消失してしまったため、予防目的に鍼を1本(ツボ1ヶ所)に使った。病院でも顎を指摘されていたようであるが、顎関節そのものに異常があったわけではないため治療には至らなかった。問題は顎周辺の筋肉の過緊張だったと言える。半年間悩んだ症状ではあったが、幸い、問題が浅く1回の施術で解決できた。

[YFSS270213]

症例1

患者

男性 20代 群馬県

来院

2005年9月

症状の特徴と経過

2ヶ月位前から左顔面のこわばり、頚の痛み、めまい、手の痺れ(しびれ)が発症。西洋医学的検査では異常が見られなかった。外見の変化も見られない。仕事ができないため3か月間休職することにした。他院で鍼灸を開始し、当院に転院してきた。

他の症状

左鼡径部痛

既往歴(これまでにかかった病気)

2005年2月、椎間板ヘルニア

治療の内容と経過

顔面部のこわばり、頚の痛み、手の痺れが同時に起こっていることから、深い関係にあると考えた。また、鼡径部の痛みも間接的に関与していると思われたため、視野に入れて治療を開始した。1回目後、頚と肩のこり、手の痺れ、めまいが緩和されたが、最もつらい顔面部のこわばりには変化がなかった。2回目後、手の痺れが消失、鼡径部の痛みが軽減。3回目後、顔面のこわばりが軽くなる時間帯が出現。鼡径部の痛みがさらに軽減。その後、顔面のこわばりは、増強と減弱を繰り返しながら徐々に軽減していった。11回目後、顔面のこわばりは軽い状態で落ち着いてきた。12回目後、症状がゼロになる日が出現。その後、残った軽い症状を完全に治すため通院を続け、31回の治療で終了した。予定どおり、3か月間の休職期間を経て職場に復帰できた。

著しい効果が見られたツボ

後谿(左)、風池(左)、合谷(左)、太陽(左)、太衝(左)

まとめ

発症の原因は当院でも分からなかったが、丁寧に触診すると異常を示す部位はたくさんあった。それをターゲットに調整していくことで結果的に顔面の症状も治った。異常部位は体からのSOSであるにも関わらず、それを無視して検査を行い「異常なし」と結論づけられたことに違和感を覚える。

[YMYS20050906]

症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。