活法の導入
導入時期:2008年4月
活法とは
日本に古くから伝わる伝統療術です。武道の世界では「殺活自在」という言葉があるように「活かす」ということもテーマの一つでした。「活かす」技術が活法です。マッサージのように揉みほぐすテクニックとは一線を画します。
活法は筋肉や骨格を瞬時に調整することができます。無理な力を使わないため安全です(骨をボキボキさせる調整術も含まれますが当院では使用しておりません)。
活法についての詳しい説明はこちらのサイトで≫活法研究会
活法の特徴
即効性
最大の特徴は即効性です。戦(いくさ)において、負傷した兵士をいかに戦場に戻すかは重要なテーマであったはずです。ゆっくり回復させていたのでは間に合いませんから。
場所と時間を選ばない
次の特徴は、「どこでも、いつでも」できる技術であることです。環境を選べない戦場において、簡単であることが重要です。
道具を使用しない
使用するのは術者の肉体のみ。詳しく書けば精神も含まれます。「どこでも、いつでも」というのも道具を必要としないからです。
動作の研究
武道において人の動きの研究は基本です。そもそも人は動く存在です。活法はこの動きを熟知した上で成りたっている技術です。関節や筋肉の構造的(解剖学的)な研究で足を止めることなく、各部位の連動性まで深く研究されています。他にも連動性に着目した技術はありますが、それらは活法を源流とするものがほとんどです。
活法との出会い
一子相伝で伝えられてきた活法は表に出ることはなく、水面下で継承されてきました。口伝のためテキストもありません。(右写真は口伝された技術を書き留めたノート)
そのため、活法を実践する療術家は少ないのです。そんな活法への道を開いてくれたのは鍼灸学校の同級生でした。彼もまた活法に魅せられた一人なのです。
この縁には感謝しなければなりません。一生かけて研究したとしても、活法の技術に追いつくことはなかったでしょう。
鍼灸vs活法
「活法は鍼灸よりもスゴイのか?」という疑問もわいてきます。結論としては比較できません。
東洋思想を受け継いでいる、という意味で共通するところはあります。しかし、それぞれ、ルーツや発展の経緯が全く違うため、手技や効果を単純に比べることができません。「アナログ時計とデジタル時計はどちらが優れているか」、に対して答えが出せないのと同じです。
鍼灸×活法
活法に出会って日も浅いため、活法の奥義には到達していません。習得した術は数パーセントです(数パーセントにも達していないかもしれません)。
鍼灸と並行して、活法の完成度を高めていこうと考えています。臨床上鍼灸との相性は抜群です。いずれ、2つの道がどこかで合流するような気がします。
鍼灸師として基本は鍼灸。しかし、鍼灸という道具がなければ何もできない鍼灸師にもなりたくないのです。活法と共に鍼灸師の存在価値を私なりに探していこうと思います。