すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。
男性 60代
2017年9月
1月末に発熱があり、病院でインフルエンザと診断された。その5日後、突然意識がなくなり救急に運ばれる。入院し、数日して意識が戻った。
入院中、右足首が腫れあがっていた。歩こうとすると足首を動かすことができず歩けなかった。半年間、薬の服用と足首のリハビリを繰り返すことで少しずつ動くようになったが、足首の腫れが引かず歩行が安定しない。右脚を引きずって歩いている。
「もう薬では治らない、東洋医学で根本的に症状を治したい」という気持ちを抱えて来院された。
入院中の話を聞くと、入院してから尿の出が悪かったとのこと。水分代謝と足の腫れが引かないことに関連性があると疑い、水分代謝の改善を目的に下腿部のツボに鍼をした。すると、直後から足首が動かしやすくなった。2診目以降、同様の施術を行った。
3診目、足の腫れが治まり歩行が安定してきた。脚を引きずることもなくなった。腰のツボを追加するとさらに腫れが引き、足首の動きも動かしやすくなった。家族の方からフラフラしなくなったと言われるようになった。
5診目、歩行しても違和感がなく、生活に支障がないまで改善したため施術を終了した。
なし
委陽R 玉陽L L2(0.5)R
水分代謝に問題があり、足の腫れが引きにくい状態になっていたと考えられる。水分の排出を促すと共に、足首の筋肉が円滑に動くように施術した。内臓の調子が筋肉・関節に影響を及ぼしていたと思われる症状である。[YMKS150917]
女性 10代前半
2017年4月
5週間前、お風呂で湯船に入ろうとした際、右足の甲に痛みが走る。痛みは一時的なもので、その後は痛みを感じなかった。
翌日、学校の部活でバドミントンをすると、右足の甲に再び痛みが走る。その後、歩行中も痛みが出るようになり整形外科を受診。骨に異常はなく、原因がわからないとのこと。整体や、マッサージ、電気療法などの施術を受けるが、痛みが治まらない。別の整形外科を受診するも原因がわからず、「モートン病では?」と言われる。
モートン病について調べていると、鍼が効果あるのではと考え来院された。
拇指球の辺りに顕著な圧痛があり、土踏まず(内側縦アーチ)にも硬さがみられた。ふくらはぎに鍼をすることで拇指球の圧痛が軽減、歩行時の足の甲の痛みが半減した。さらに、すねの内側に鍼をすると、歩行時の痛みが軽減した。腰に鍼をすることで、残っていた違和感も消失し、施術を終了した。
施術の3日後、「6週間ぶりにバドミントンコート全面で動くことができた。」とメールで報告があった。
下承山R 漏谷R L2(1.5)R
拇指球にかかる負担が、足の甲の痛みの引き起こしていた。拇指球へ体重をかける動きは、同時にふくらはぎの緊張も引き起こす。日々のバドミントンの練習で、下腿部に疲労が溜まり、その影響から足の裏、足の甲へと痛みが波及した。モートン病と言われている症状の多くは、このように改善が期待できる。[YFSM030417]
男性 30代 埼玉県/深谷市
2012年7月
足首の痛み(左)
2〜3週間前、運動中に右の足首に違和感を感じるようになった。捻った覚えもなく捻挫とは違う感覚。数日後、違和感から完全な痛みへと変わった。痛みの程度は、日や時間帯によって異なる。痛みが強い時は、土踏まずに力が加わると痛みが増すため、踵を着きにくい。そのため、左脚はつま先で歩いて痛みを回避している。
慢性的な腰痛
膝靱帯損傷(左)
触れてみると、腫れや熱はない。当人の感覚通り捻挫の所見は見当たらない。活法によって関節調整を行ったところ、違和感が軽減。足の裏に違和感が残っていたので、ふくらはぎに鍼を行ったところ症状が大幅に改善。足裏の踵寄りに違和感が残ったため、ふくらはぎの上(膝のすぐ下)に鍼をして緩めたところ、症状はほとんど消えた。
地機(左)、三陰交(左)、合陽(左)
足首そのものの問題ではなく、ふくらはぎに筋肉(腓腹筋、ひらめ筋など)が、硬くなり足首の動きを制限したことが原因と思われる。ふくらはぎには自覚症状がないために、「なぜ足首が痛いのだろう…」と首をかしげたくなる症状であったと思う。
[YMSY210712]
症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。