気とは何か?

私は気功師?

鍼灸院の名前が養気院なので、「気功をやっているんですか?」とよく訊かれます。手のひらから気を出して治すようなイメージを与えてしまうことが多いようです。

実際には、私は気功で病気を治せません。

鍼とお灸を使って、患者さんの気の流れを整えています。

「気の流れ」なんていう言い回しをしましたが、そもそも気とは一体なんなのでしょうか…。これを真面目に語ると本を書かなければなりませんので、簡単な説明で済ませてしまおうと思います。

存在はしても証明できないもの

気とは「体内に流れている目に見えないエネルギー」とそのまま理解してしまうのが一番です。私が強調したいところは“目に見えない”というところです。そもそも気は人間には認知できないものなのです。順番からいえば、目に見えないけれど存在する、というものを「気」という言葉で表しているということなのです。

ですから、「気が見える」とか「気を感じる」とか言う方は、気そのものを見たり感じているのではなく、気の影響で変化したものを感じているだけです。見えたり、感じたら、それは気ではありません。

たとえば、「元気がいいね」という言葉がありますが、「元気」は目に見えません。でも、誰でも「元気」という目に見えないものをしっかりとらえています。他に「気分がよい」や「気持ちがよい」という言葉もありますよね。こんなふうに、「気」は見えなくても、私たちはその存在を潜在的に感じ、生活の中で応用しています。私が扱う「気」もその延長上にあるものです。特別な「気」ではありません。

気の流れを知る方法

気そのものは見ることも感じることもできませんが、気の流れを知ることはできます。気の流れが悪いと起こる“現象”を見ればよいのです。

説明のため、極端なことを書きます。命が途絶えると、動かなくなるだけでなく体が冷たく硬くなります。死体は生命エネルギーが失われた状態と考えれば、「気の流れていない」存在です。気の流れていない存在は、冷たく硬くなる性質があるということができます。

生きている人間であっても、疲れたり、病気になったりすれば、気の流れが悪くなります。生命エネルギーが落ち込んでいる状態です。この落ち込んだ状態を探すには、冷たく硬いところを探せばよいことになります。それがもっとも顕著に表れるところがツボです。

ツボに出る冷えや硬さは微妙なものも多く、感覚で知るには鍛錬が必要です。鍼灸師は鍛錬によって研かれた指先で微妙な変化を見逃しません(腕のある鍼灸師ほど精度が高いです)。

ここまで冷えと硬さで説明してきましたが、生命が危機にさらされたとき最初に起こるのは防衛反応で、この時発熱します。かぜをひいた時、熱がでますよね、アレです。

全身的な発熱でなくても、部分的に発熱することはよくあります。発熱部位はたいがい腫れを伴います。鍼灸師は微妙な変化も見逃しません。

実際の診察では、冷え、硬さ、熱、腫れなどの変化を皮膚上から読み取っていきます(実際にはもう少し複雑です)。これが東洋医学の触診であり、気の流れを知る技術です。

気の世界

鍼やお灸の手さばきが上手な鍼灸師ほど腕がよい、と誤解されることもありますが、腕の差は、気の流れをどれだけ捉えているかによって決まります。前述したように、直接目に見えない気を捉えるのは、知識と経験、そして鍛錬された手です。

機械では読み取れない微妙な変化を手は読み取れます。だから鍼灸師は「気の世界」を感じることができるのです。

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