鍼灸Q&A

Q1.鍼って痛くないの?

マッチ棒、縫い針、鍼灸用鍼の太さの比較痛みはほとんどありません。痛みを全く感じることなく、鍼が入ってしまうこともしばしばです。鍼にも太いものから細いものまでたくさんの種類があります。当院で使用する鍼は比較的細い鍼を使用しています。鍼は患者さんの体の状態によって長さや太さを使い分けています(写真:上からマッチ棒、縫い針、鍼灸用の鍼。)

Q2.お灸は熱くないの?

お灸の間違ったイメージ 一口にお灸と言ってもさまざまなタイプがあります。その中には「熱い」と感じるものもありますが、火傷(やけど)は避けたいものです。当院のお灸は火傷(やけど)にならず、熱さに耐える必要もありません。温かい刺激を与えるだけのお灸や、米粒よりも小さなお灸をすえます。もし、山盛りの灸が皮膚の上で燃えるイメージをお持ちなら忘れてください。(関連記事≫気持ちのよいお灸

Q3.鍼で感染することはないの?

使い捨て鍼(ディスポーザブル鍼)心配ありません。当院では使い捨ての鍼を使用しています。この鍼は製造工場で滅菌処理がなされ、施術寸前の開封まで完全に無菌状態です。鍼を持つ手指とツボ周辺も消毒します。

Q4.すぐに効き目は出る?

比較的新しい病気ならばその場で症状が消えることがあります。しかし、慢性化した病気の場合、治療にも時間がかかり、その場で症状を消すことは難しくなります。すぐに症状が消失しない場合でも体は自然治癒力が高まった状態になります。施術中にお腹がなったり眠くなったりするのはそのためです。

Q5.副作用はあるの?

東洋医学には副作用という考え方はありません。東洋医学の場合、症状に対して処方(ツボ選び)するのではなく、体全体を総合的に分析して処方します。ですから、症状が同じでも処方が同じになるとは限りません。また、違う症状でも同じ処方になることもあります。当院が丁寧に問診したり触診するのはツボ選びを間違わないためです。

Q6.施術を受けた後、お風呂に入れる?

入浴 直後でなければ問題ありません。1〜2時間後であれば大丈夫です。しかし、熱めのお風呂は控えてください(症状によっては入浴を避けた方がよい場合もあります)。また、施術を受ける寸前はお風呂に入らないでください。入浴直後のポカポカした状態では、正確な触診が難しくなるからです。

Q7.施術を受けた後、お酒は飲める?

お酒のイメージ直後でなければ問題ありません。ただ普段よりお酒がおいしく感じることがあり、飲み過ぎには気をつけてください。また、施術を受ける直前の飲酒は絶対に控えてください。正確な診断ができなくなります。

Q8.生理中でも受けられる?

月経期間であってもなくても受けられます。症状によっては月経周期も参考にし、その時の体調に合わせた施術を行います。月経期、月経痛を緩和させる目的で来院される方もいます。

Q9.お年寄りが受けるイメージがあるけれど…。

鍼灸とお年寄り 鍼灸を受けるのに年齢は関係ありません。小児には刺さずに刺激する小児鍼があります。年齢によって鍼や灸の種類を変えたりして対応します。小児やお年寄りには弱刺激な鍼を用いるのが通常です。(関連記事≫鍼灸のイメージ

Q10.効果があるのは“肩こり”や“腰痛”だけ?

鍼灸の効果は筋肉だけでなく、内臓にも及びます。東洋医学では関節と内臓機能は密接に関わっていると考えますので、施術は両方のサイドから行うことが多いのです。

Q11.鍼の数が多いほどよく効く?

鍼の本数が多いほどよく効くというわけではありません。施術の善し悪しは鍼の本数で決まりません。体に対して適切な刺激を与えられるかどうかが施術の効果を左右します。体は一人一人違いますし、同じ人でも体調は刻々と変化しています。ですから、適切な鍼の刺激量はいつも同じではありません。 また、鍼の本数だけでなく、使う鍼の種類でも刺激の質や量が変わります。

Q12.鍼はどれくらい深く刺すの?

手のひらの鍼(長さ1cm、太さ0.18mm)浅い場合は数ミリです。深い場合は数センチ刺します。もちろん、危険な部位には深く刺すことはしません。鍼灸師は国家資格取得者であり、十分な解剖学の知識をもって施術にあたっています。(関連記事≫鍼灸師という仕事

Q13.鍼は神経にするの?

経絡人形神経を狙うわけではありません。ツボは神経が通っているところにあるものもありますが、全く同じではありません。鍼はツボを刺激するために用います。ツボは体の機能にアンバランスが生じた時に皮膚や筋肉に表れる反応点です。この反応を探して鍼をします。仮に神経に鍼をした場合でも、鍼は細くて柔らかいので、神経が傷くことはありません。

Q14.一回の治療で治る?

たとえば、発症して間もないぎっくり腰であれば1回の施術で痛みが緩和されてしまうことがありますが、体質改善が必要な症状や慢性的な症状の場合は1回の施術で完治させることは難しいです。

Q15.鍼の先に薬がついているの?

鍼を持つ指先薬はついていません。鍼をして痛みが治まると、このような質問をされる方がいらっしゃいます。鍼を患部と離れたところに刺しても有効なのは薬の効果ではありません。鍼灸は体内の循環を整えた結果、痛みが治まるのです。(関連記事≫クリ助の鍼に疑惑浮上

Q16.花粉症に効果があるのはなぜ?

花粉症はアレルギーの一種です。簡単に言えば花粉に対する過敏症です。免疫反応のいたずらと言ってもいいでしょう。
東洋医学的な立場から花粉症を簡単に説明します。花粉症が多発する春は身体の気が昇りやすい季節です。結果、顔面部に気が欝滞しやすくなり、滞った気は逃げ場を求めて目や鼻を刺激して過敏な状態を引き起こします。花粉症に悩む方は肩こりや首のこりが目立つことが多く、これも気が身体の上に滞っている症状です。鍼灸で体内の気の流れが改善させると、目や鼻が過敏になる必要がなくなり症状が落ち着きます。(関連記事≫ツボで花粉症対策

Q17.施術に失敗して後遺症が残ることは?

後遺症が残ることは絶対にありません。度々「鍼は神経に刺すんですか?血管に刺すんですか?」と訊ねられます。鍼を神経や血管に刺すと思われている方は、神経を傷つけるのではないか、血管を傷つけるのではないかと心配になることでしょう。しかし、実際の施術では、デリケートな組織に鍼や灸をすることはありません。使用するツボは、安全なところのみです。ですから、後遺症の心配は全く必要ありません。

※神経を直接刺激する先生もいらっしゃいますが、そういう場合でも繊細な鍼のコントロールをしますから神経を傷つけることはありません。

Q18.施術のあと、しびれたような感覚が残ったけど大丈夫?

鍼をしたところには「響き(ひびき)」という現象が起こります。響きは指圧などでも感じられます。ツボを押した時、重だるく感じるような感覚です。「イタギモチヨイ感じ」とも言えるかもしれません。鍼をすると指圧よりもシャープに響きを感じます。ツボを正確に刺激しているために起こる現象です。しびれた感じになることもあるので、「神経を傷つけたのではないか…」と心配される方がいらっしゃいますが、そのようなことはありません。通常、響きはすぐに消えます。まれに数日間残ることがありますが、必ず消えますので問題ありません。

Q19.鍼で肺に穴が開いた人がいると聞きましたが大丈夫?

解剖学の知識がなく、胸や背中にでたらめに鍼をすれば、気胸(ききょう)になってしまいます。気胸とは胸腔内に空気または気体の存在する状態をいいます。直接、肺に穴が開くわけではありませんが、胸腔内に空気が入ってしまうと肺が膨らまなくなり呼吸が苦しくなります。免許をもつ鍼灸師であれば、気胸を防ぐ方法を必ず身につけています。胸や背中に鍼を必要以上に深く刺さない限り気胸になることはありません。

Q20.鍼灸が効く人と効かない人がいると聞きましたが…

ごく希な例外があるだけで、鍼灸は誰にでも作用します。効果を感じにくいのは「施術が適切でない」や「症状が重い時」です。患者さんには希望を抱いていただきたいので、すぐに効果を感じる施術を心がけています。(関連記事≫鍼灸が効く人、効かない人

Q21.鍼灸師ってどんな人?

東洋医学の古典鍼灸師になるためには専門の養成学校で3年間勉強します。その後、国家試験に合格すると「はり師」「きゅう師」の免許が国から与えられます。はり師ときゅう師は一緒に扱われることが多いのですが、厳密には別々の資格です。(関連記事≫鍼灸師という仕事