突発性難聴・耳鳴の鍼灸治療
突発性難聴の原因
突発性難聴の原因として、 ストレス説、ウイルス説、血流障害説などが挙げられていますが、詳細は分かっていないというのが通説です。
鍼灸治療の現場では、患者さんには共通した身体的特徴があります。その特徴は、強い頚コリや肩こりです。顎関節に違和感のある方も目立ちます。触診すると、咬筋、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋、頭板状筋などの過緊張が診られます。
耳鼻科では顎関節やこうした筋肉群との関連性に着目していないため、多くの事実が見逃されています。突発性難聴の治療の盲点と言えます。
耳鳴の原因
突発性難聴と共に生じる耳鳴りは、低下した聴力を補うとする脳の働きによるものと考えられます。実際に、聴力が回復すると耳鳴が消失することからも間違いありません。早期に治療を開始し、聴力をしっかり回復させると耳鳴は自然に消えます。
聴力が回復しても残る耳鳴
聴力が回復しても耳鳴が残る場合があります。聴力が低下していた時期が長い場合に多いようです。こうした場合でも、鍼灸治療によって改善していく可能性があります。実際に改善例が多数あります。ただし、治療期間が中長期になることが多いです。
突発性難聴は感音性難聴の一種
難聴は、主に空気の振動を伝えられない「伝音性難聴」と、振動を信号に変えて脳に伝える能力に難が生じる「感音性難聴」に分かれます。混合している場合は「混合型難聴」と言います。鍼灸治療で効果が期待できるのは、感音性難聴です。
低音障害型感音難聴
低音障害型感音難聴は、突発性難聴とよく似た難聴ですが、低い音のみ聞こえにくくなるのが特徴です。突発性難聴よりも軽症ですが、自然回復を待つのはおすすめできません。1日も早く治療を開始することが必要です。鍼灸治療においても、短期間で完治することが多い難聴です。病院治療との併用も可能です。
当院の鍼灸治療
耳の周りに鍼をしない
耳周辺のツボに鍼をする治療が多いかもしれません。しかし、こうした方法は一時的な筋緊張の緩和が得られるだけです。なぜなら、筋緊張の原因が耳周辺にはないからです。身体のバランスをよく観察しなければ、本当の原因はわかりません。当院では、全身のツボを使いながら耳内部の安定した血流をつくり出します。高い効果が得られ、負担も少なくなります(週に2〜3回の通院)。
耳周辺のツボを主とした治療には限界があります。弛緩した状態を持続させようと思ったら、頻繁に鍼灸を受け続ける必要があり、患者様の負担も大きくなってしまいます。
顎関節を整える
内耳の血流を整えるには、顎関節が適度に緩んでいることが必要です。顎関節は、全身の骨格バランスを整えることで顎関節を緩めていきます。手足のツボを主に使っていきます。
頚こり、肩こりの根を解消する
顎関節に対するアプローチとして頚、肩も重要です。“動きやすい肩甲骨”を作ることで 頚・肩こりを根っこから解消し、顎関節を良い状態にします。腰のツボを使う事もあります。
耳と通じる鼻と喉も整える
耳と通じる鼻・喉のコンディションを整えることも聴力回復に欠かせません。この場合も直接鼻・喉の周辺に鍼をするのではなく、手足のツボを使いながら整えていきます。
突発性難聴・耳鳴 |
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