当院で行っている逆子治療についてお答えします。鍼灸師によって逆子治療の方法は異なりますので、他院を受診される場合は、担当の鍼灸師にお尋ねください。
お腹に鍼を刺すことはありません。
(よく使うツボ≫至陰&三陰交)
1回で直るケースも少なくありませんが、1回で直るとは限らないので2〜3回程度の施術を受ける心構えで来院されることをおすすめします。5回以内で直すことを目安にしています。
治療を開始する時期によって大きく変わります。当院の経験によると、28〜30週で80〜95%、31〜32週で70%〜80%、33〜34週で50〜70%、35週を過ぎると急激に確率が下がり50%以下になります。36週以降はご期待に応えるのが難しくなるためお受けしていません。
あります。特に早い時期に直った場合は、子宮のゆとりがあるために、再び赤ちゃんが逆子になることがあります。経験上、33週以降に直った場合は元に戻ることが少ないです。一旦、逆子が直っても油断することなく、疲労、冷え、ストレスを避けるように過ごすことが大切です。また、直った後も鍼灸を何度か受けると逆子になりにくい体になります。
逆子治療で有名なツボには「至陰(しいん)」と「三陰交(さんいんこう)」があります。当院ではこれらのツボにこだわらず、お一人お一人のお体に合わせてツボを選んでいます。2〜3つくらいのツボを使うことが多いです。たとえば、足に冷えがある場合、冷えの強いところを探したり、左右で違いがないかチェックします。そのバラツキを補正するようなツボを使います。こうしたバランス調整を上手に行うほど、逆子が直りやすくなります。
適切なツボ選び、適切な刺激を守る限り、赤ちゃんに害を及ぼすことはありません。むしろ、母体(母胎)を整え赤ちゃんが快適な状態にすることが逆子治療の本質です。治療によって体調の改善が期待できます。一例として、ほとんどの妊婦さんで便通の改善が見られます。
逆子を直すためには、心身がリラックスしていることが大切です。もし、鍼灸師が痛い施術や熱い施術をしてしまったら、リラックスする機会を奪い直る確率が下がります。そもそも適切に行われる鍼灸施術に苦痛はありませんが、特に逆子治療では安心して施術を受けていただけるように細心の注意を払っています。
特別な指導はしていません。ただし、体の辛さをこらえて体操を行うことはしないようだけ助言します。「直すため何でもする」という強い意志をお持ちの方に頑張りすぎの傾向があります。逆子は頑張って直すものではありません。むしろ、頑張ることで体と心の負担がかかって直りにくい状況を生むことが多いと思います。当院の症例では、逆子体操と鍼灸を併用した方が直りやすいというデータはありません。
28週以降、早ければ早いほどよいです。逆子が直るか否かは、鍼灸師の腕にもかかっていますが「いつ始めるか」で結果が大きく変わってきます。逆子は自然に直ることもあるので、「待つ」という気持ちのゆとりは大事ですが、手遅れになる前に行動を起こすことが大切です。1日でも早く鍼灸を受けることをおすすめします。
メールや電話での指導は行っていません。当院ではお一人お一人使うツボが違うため触診をするまで使うツボが決められないからです。また、自宅でのお灸は正確性に欠けるので鍼灸師によるものとは効果が全く違います。
ほとんどわかります。ただし、「間違い」があってはならないので、断言はしません。直ったかもしれないと感じた時は、産科のエコーで確認していただくことになります。
疲労している時、ストレスが強い時、胃腸を冷やしている時、子宮の奇形、臍帯が長すぎて絡まっている時、臍帯が短すぎる時、前置胎盤の時、胎児の姿勢が悪い時、胎児が大きくなりすぎた時です。これに当院の経験を加えると、逆子で悩みすぎている時や、赤ちゃんに話しかけすぎている時です。こういう時は、頭に熱がこもった状態になります。必要な対策を済ませたら、別のことを考えて過ごす方がよい結果が得られます。
第一に家族の理解を得ることが大事です。気にすればするほど直りにくいのが逆子です。逆子がわかれば、妊婦さんだけではなく家族全員が心配するものです。あえて、家族は見守ることに徹し、妊婦さんにプレッシャーを与えないようにすることが大事です。妊婦さん自身が気をつけることは、冷たい物を飲まないことです。胃腸が冷えていると逆子が直りにくいからです。