逆子(原因と治し方)


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東洋医学からみた逆子

正常な赤ちゃんの向きは頭が下、足が上です。なぜなら、赤ちゃんは頭から先に出たいからです。ですから、自然に頭を下に向けようとします。では、なぜ逆子の時、赤ちゃんは頭を上にしてしまうのでしょうか・・・。

太極図(陰陽マーク)まず、母と胎児の関係を陰陽で考えてみます。陰と陽は作用が逆でありながら互いに依存し合う関係です。収束と発散として考えますと、収束する母体が陰、発散に向かう胎児が陽ですね。また、滋養する役目の母体は陰であり、その栄養を受け取る立場の胎児は陽となります。また、外界で既に活動している母を陽とすれば、母体で静かにエネルギーを蓄える胎児は陰と言えます。何を基準にするかで陰と陽は変わります。

実は難しく考える必要もなく、一人の体の中にもう一つの体があるのですから不安定になるのは当然です。つわりはその不安定さを象徴する症状です。この不安定な状態であっても安定に保とうとして、母と子は陰と陽という依存関係になるのです。そんな理由から胎児は頭が下、足が上と考えてみてはいかがでしょうか。

逆子の原因

頭熱足寒つまり、逆子は母と子の陰陽関係がおかしくなっている状態なのです。主な原因は母体にあります。たとえば、冷えが原因のことがよくあります。昔から、「頭寒足熱」と言いますが、頭は冷めて足が温かいのが健康的です。頭は陽の部位ですから、冷えてバランスを保ち、足は陰の部位ですから、温かくしてバランスが保ちます。もし、母体の下半身(陰)が冷えていれば、胎児は最も大切な頭を委ねることができずに、上に頭を移動させてしまうことがあるでしょう。このように考えると逆子は胎児が自分の体を守ろうとする一種の防衛反応と言えます。

逆子の原因は「冷え」ばかりとは限りませんが、母体に何らかの原因があると考えてよいと思います。骨格の左右差であったり、体内の病理産物の滞りであったり、いくつもの原因があります。

東洋医学(中医学)に基づく分類

ここでの分類は、臨床経験を元に分類したもので、コンセンサスを得たものではないことを添えておきます(書籍や学派によって分類が違います)。違う見解をお持ちの先生もいらっしゃると思います。その時はご経験をご教授いただければ幸いです。

風寒 いわゆる風邪。一時的に逆子になることがある。咳が残ると逆子の状態が続くことがあるので、早めの対処が必要。
肝鬱気滞 ストレスによって体内の気の流れが悪くなる。ストレスの少ない環境づくりをしたり、気分転換をすることも大事。
腎陰虚 水分代謝機能が低下し、のぼせやすくなる。疲労の蓄積や睡眠不足が招くことがある。
脾気虚 消化機能の疲れ。暴飲暴食に気をつけ、冷たい飲み物は避けることが必要。
肝脾不和(肝胃不和) ストレスによって消化能力が衰える。ストレスによる胃の不快感もこれにあたる。ストレスを避け、胃腸に負担をかけない食生活を心がけることが必要。

逆子を治す生活

頭寒足熱先に述べたように、東洋医学からみると逆子の原因はさまざまです。しかし、最終的な目標地点は上下のバランスを正常に戻すことです。日常生活では、下半身を冷やさない工夫や心がけが大切です。また、悩みすぎや考えすぎは頭に熱が溜まってしまいますので、ラクな気持ちで生活した方がよいでしょう。規則的な生活、栄養バランスのよい食事、上手なストレス解消が逆子を治すコツです。

鍼灸で治す

伝統的な方法

逆子は逆子体操で治らなくてもあきらめないで!

鍼灸の世界では、古来から逆子の矯正を行ってきました。鍼灸の発祥の地=中国、そして日本には逆子を直す伝統的な方法があります。にもかかわらず、方法はあまり知られていません。当院を訪れる方のほとんどがインターネットで情報を得たという方ばかりです。

産科、助産院、書籍、雑誌などでも鍼灸治療の情報は少なく、逆子なら帝王切開、という流れが一般的な風潮だと思います。できれば、お腹を切る帝王切開はしたくないものです。避けられる帝王切開が増えるといいですね。

逆子体操で直らなくても、あきらめないでください。鍼灸は昔から逆子の治療に使われてきた伝統的な方法です。

何をする?

鍼灸で逆子を治す場合、まず母体の状態をきちんと把握します。問診では体調と生活環境をお尋ねします。触診では、冷えや熱のバラツキをチェックすると同時に骨格的なバランスも診ます。その上で適切なツボを選びやお灸を施します。特に逆子治療の場合は、お母さんの心と体がリラックスしていなければ、よい結果が得られません。ですから、痛い刺激や強すぎる刺激は厳禁です。心地よく感じる刺激が効果的です。

半米粒大のお灸逆子を治すベーシックなツボに至陰(しいん)と三陰交(さんいんこう)があります。ここへお灸をするだけで治ってしまう場合もあります。ここで使うお灸は米粒の半分以下の艾(もぐさ)をすえるので、熱さを我慢する必要もなく、火傷になることもありません。その艾の小ささに皆さん驚きます。自宅では市販の「せんねん灸」などをおすすめしています。とても簡単です。

至陰と三陰交について

両方のツボに陰という文字が含まれています。これはまさしく「体の陰を調整できるツボですよ」ってことです。しかも、至陰は陰に至る処、三陰交とは三つの陰が交わる処ですから、陰を調整するには有利なツボなのです。また、ここに灸をすることにも意味があるのかもしれません。お灸は熱の刺激ですから陽の信号をツボに送ることができます。つまり陰を温めやすいということです。陰は下半身と同時に体の内部も意味しますので、これらのツボに灸をすえるということは、(母体の)陰部と体内を温めることになります。また、至陰は背中側、三陰交はお腹側に作用しやすいと言えます。そのため、体の温まり方に違いが出ます。

詳細記事

迷わず鍼灸院へ

逆子で鍼灸院に行く

「逆子がわかったのはいつですか?」という質問に「1ヶ月くらい前です」と答える妊婦さんが少なくなくありません。「もっと早く決断してほしかった」と思うことがしばしばです。
鍼灸(矯正)の開始が遅れるほど治る確率が低くなってしまうので、逆子とわかったらすぐに鍼灸院に行くことをおすすめします。1週間の違いが結果を左右します。「逆子体操を試してから・・・」「次の検診で確認してから・・・」なんて思わないでください。逆子体操と鍼灸を併用することも可能です。

直りにくい段階になって鍼灸を受診よりも、早い段階(28〜29週)でリスクを減らし、安心して過ごす方がよいと思いませんか。(≫逆子が直った妊婦さんの声

補足

28〜29週では、赤ちゃんが小さいので何もせずに直ることもあります。産科の先生から「自然に治りますよ。」って言われることも多いようです。確かにこの時期の逆子は直る確率は高いので、自然に直るケースがあります。ただ、30週を過ぎても直らない場合、自然に直る確率がガクンと低くなってしまいます。

有効性と矯正率

30週くらいになると、赤ちゃんが窮屈になり姿勢も固定し始めます。28週以降で逆子ならば、できるだけ早く鍼灸を試されることをお薦めします。遅くなるほど、成功の確率が下がってしまいます。国内の関連論文によると、36週以降の矯正の成功率は50%くらいです。(米国の関連論文≫Moxibustion for Correction of Breech Presentation日本語訳版

当院の経験

逆子が治った赤ちゃん治療を開始する時期によって大きく変わります。当院の経験によると、28〜30週80〜95%31〜32週70%〜80%33〜34週50〜70%、35週を過ぎると急激に確率が下がり50%以下になります。36週以降はご期待に応えるのが難しくなるためお受けしていません。 (≫逆子が直った妊婦さんの声

 

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