国内外で絶賛されている高級つめ切りの製作現場が見たい!―SUWADA訪問記(1)

国内外で絶賛されている高級つめ切りの製作現場が見たい!

 

副院長の岡本です

鍼灸師の”ココ”を見てみよう

誰でも簡単にできる、鍼灸師が信頼できるかどうかを判断する初歩的な方法をお教えします。

それは、鍼灸師の手、とりわけ、爪を見ることです。

あなたが出会った鍼灸師の爪は、きれいに切りそろえられているでしょうか?

短く切った爪がやすりで丸めてあればさらに良し、です。


鍼灸師は患者さんの身体に触れます。触れるだけではなく、指で皮膚を深く圧して、筋肉やツボの緊張を確かめます。爪が短くなければ患者さんの皮膚を傷つけかねません。

また、鋭利な爪の感触を感じると、患者さんは防衛反応で身を固くします。そうして筋肉が固まると、筋肉の緊張の程度を見誤りますし、ツボを正確に取ることができません。

よい爪を保つために

というわけで、鍼灸師にとって、爪を短く切りそろえておくことは、決しておろそかにしてはならないマナーです。義務といっていいかもしれません。

これに加えて、養気院の鍼灸師はヤスリで爪を磨いているので、やたらと爪が輝いていることがあります。

そんな大切な爪のお手入れをするにあたり、カギになるのがつめ切りです。

使う物に対してはひとかたならぬ情熱をもってその良し悪しを見極める眼をもつ栗原院長が、適当なつめ切りを使っているはずもなく……

3年半ほど前にこんなブログを書いています。

鍼灸師なら試してほしいSUWADAの爪切り(2016年7月2日)

こんなつめ切りです

養気院の鍼灸師も、この諏訪田製作所(SUWADA)のつめ切りを使わせてもらっています。ニッパー式なので細かく爪の形を整えられますし、何よりも切れ味が最高にいいのです。

院長のブログにもあるとおり、一般的なつめ切りは、「パチン」と爪を割るようにして切るのですが、このSUWADAのつめ切りは音からして違います。

院長の表現を借りるならば、「パツッ」とか「コクッ」という感じの上品な音がします。

わたしが表現するならば、「ティッ」ですかね。

アルファベットで表現するならば

Tiic…

ですね。

こっちのほうがおしゃれなので、今後は「Tiic…」でお願いします。

「…」の部分に余韻を感じてください。

そうだ SUWADA、行こう

SUWADA製つめ切りを愛してやまないわたしたちは、つねづね「SUWADAの工場に行きた〜い! 行きたいったら行きた〜い!」と言っていました。

そんなある日、ひょんなことからつめ切りの話題になったときに、栗原院長が言いました。

「もうさー、SUWADA行っちゃおうよ!」

SUWADAブランドを擁する諏訪田製作所は、群馬県のお隣、新潟県の三条市というところにあります。

金物の街として、世界的に知られるメーカーが多数ひしめいているすごい街です。余談ですが、わたしは昔、同じく「金物の街」として有名な兵庫県の三木市というところに住んでいたことがあり、そういった点においても三条市に親しみを覚えるのでした。

SUWADAは「Open Factory」と銘打って、つめ切りを製造している工場を一般向けに開放しているのです。前々から気になっていた場所でした。工場見学とか大好きなわたしは、以前にもSUBARUの工場を訪れたりしています

養気院から諏訪田製作所までは、200kmあまり、クルマで約2時間半の距離があります。


「日帰りできるやん!」

普段から東京でのセミナーはクルマで行っているわたしたち。群馬県民にとって、200kmという距離は決してはるか遠くではありません。

そして、季節はもう冬。暖冬とはいえ、もたもたしていると新潟に雪が降ってしまいます。今、養気院のメンバーで雪道用のタイヤを持っている者はいません。雪のあまり降らない地域で生まれ育ったわたし、雪道を走るのは怖い。

善は急げとばかりに、次の休診日に工場見学に向かうことが決定したのでした。

いざ、人生初の新潟へ

やってきた休診日、残念ながら廉くんも小堀くんも予定があるということで、院長とわたしだけでSUWADAに向かうことになりました。

普段、セミナーなどで東京に行くときはほとんど毎回院長の車で行くのですが、いつも運転してもらうのも悪いですし、わたしの車で行くことになりました。

長距離運転はあまり慣れていませんが、混んでいる道でもなさそうですし、大丈夫でしょう。ゴールド免許ですし!(神戸で全然運転してなかっただけ)

朝10時に養気院を出発して、一路北へ。

9時半出発の予定でしたが、栗原院長が「ツボの効果を検証したい」と言い出して、朝から鍼の実験をしていました。(どんだけツボが好きなんだ、この人は……)

30分遅れでの出発ですが、こういうことも織り込み済みで予定を立てているので、まったく問題ありません。自分の段取り力にしびれました。


途中、群馬県北部の水上(みなかみ)のあたりで立て続けにいくつもの虹を目撃しました。「天がわたしたちの旅を祝福してくれている!」というベタなセリフでも入れておきましょう。

上野国と越後国を結ぶ国境の長いトンネル(関越トンネル)を抜けると、そこは雪国。道路には積もっていませんが、山肌にはところどころ雪が貼りつき、気温もぐっと低くなりました。肌が「北国に来た!」という感覚を訴えています。

小休止をはさみ、三条に向けてクルマは快調に高速道路を駆けます。

第1回はここまで。次回、いよいよSUWADAの工場に潜入します。

 

つづきはこちら

製作現場の公開でSUWADAと顧客が得たもの―SUWADA訪問記(2)

多種多様なつめ切りの世界を堪能する―SUWADA訪問記(3)