岡本です。
「逆子だと言われて、鍼治療がいいという話を聞いた。
いろいろなページを調べているうちに養気院のページにたどり着き、『どんな人たちがやっているのだろう?』という思いでこのブログに到着した」
という方のために直球メッセージを書きました。
最近、立て続けに逆子を診る機会がありました。
妊娠28週の妊婦さんです。近々症例もツボネットという症例サイトにアップされます。
鍼は逆子で直るのか
28週くらいの時期であれば、かなり高い確率で頭が下の位置になるよう仕向けてあげることができます。(実際、この方の場合は鍼をした直後に胎児がむくむく動いてくれました)
なぜ、「仕向ける」というような持って回った言い方をすると、鍼で”直接”逆子を直しているわけではないからです。
当院の佐藤章代がこちらのコラムで詳しく解説していますが、「鍼灸師が得意とすることは筋肉の緊張を緩和すること」です。
逆子になっている妊婦さんのお腹や腰、首肩などに触れさせてもらうと、ガチガチに固まっていることが多いです。
しょっちゅう首の痛みが出たり、乳房も大きくなってくるので、肩こりや背中の痛みが出てきたり、前からあった肩こりがひどくなってきた、という方も少なくありません。宿った命を守っているという責任感もあるでしょう。どの方の身体も、防御態勢にある、という印象を抱きます。
さて、その防御態勢に守られた赤ちゃんはというと、(母の心配などはつゆ知らず)プカプカと子宮の中を漂って、ぐるぐると動いています。生まれてからうまく身体を使うための練習をしているなどと言われます。
たまたま足を下にしているときに、子宮やそれを取り囲むお腹や腰の筋肉が固まってしまうと、当然のことながら身動きが取れなくなり、頭を下にできなくなってしまう、というわけです。
わたしたちは鍼を手や足のツボに当てます。
これは、胎児を動かしているのではありません。鍼は胎児や子宮に一切接触しません。
鍼がツボに当たると、赤ちゃんの周りを取り囲んでいる筋肉のカベが動きます。そうすることで、赤ちゃんが動きやすい環境がつくられます。
環境は用意してあげられますが、赤ちゃんが動いてくれるかどうか、というところは赤ちゃん本人と神様に任せなければならないので、100%の成功をお約束できないのが心苦しいところです。(100%の成功を約束できる”医療”のことを、世の中では「詐欺」とか「オカルト」と呼びます)
しかし、お母さんの腰や肩を柔らかくして、胎児の住む環境と、お母さんご自身の妊娠中の身体の苦痛をやわらげる、という部分であればほぼ間違いなく変化を出せるといってもいいでしょう。そこがわたしたちの技術を発揮させられるところです。
帝王切開と鍼を天秤にかけてみる
逆子自体はよくあることです。28〜30週とかそのくらいであれば、医師も「まあそのうち直るから」と、あまり気にする様子がないことが多いです。どうしても戻らなければ帝王切開という方法がありますし、妊娠糖尿病や高血圧など、他にも気にしなければならないことはたくさんありますので、逆子だけに気を取られているわけにもいきません。何よりも、逆子については医師にできることはあまりない、という現実もあるでしょう。
そういうわけで、逆子の対策は後手に回りがちです。にっちもさっちもいかなくなって、仕方なく鍼に来る、というパターンの多いこと。
しかし、医師にしてみれば帝王切開は無数の手術のうちの一件だったとしても、妊婦さんにしてみれば、やはり不安があるものですし、出産後の回復も遅くなります。傷口がかゆくてたまらなくなる、とおっしゃる方もいました。切らずに済むならそれに越したことはないでしょう。
正常分娩にくらべると、医療費が多くかかってしまうという現実的な問題もあります(入院費なども合わせると10万円くらいは多くかかります)。
そんなわけで、帝王切開になったときに起こる身体的、時間的、経済的損失を天秤にかけてみたときに、鍼という比較的負担の小さい療法を使ってみる、という選択肢は、大いにメリットがあることだと、(手前味噌に感じるかもしれないことは承知で)声を大にしてお伝えしたいのです。ブログで声を大にすることができないので、せめてフォントを太字にしてお伝えします。
逆子で困ってる妊婦さんの力になりたいんやぁ〜〜〜〜!
今日お伝えしたいことは以上です。
それでは、養気院でお会いしましょう。
もうちょっと知りたいと思われている方は、ツボネットには逆子のコラムが投稿されていますので、こちらも参考にしてください。