逆子の患者さんからお便りを頂いて考えたこと

副院長の岡本です。

逆子で通院されていた患者さんから、嬉しいご報告を頂きました。

ご本人の承諾が得られましたので、こちらで紹介いたします。

逆子の方と、病気、ケガでいらっしゃる方の大きな違いは「制限時間」の有無です。

もちろん、耳の症状なども、時間とともに改善が難しくなっていきますが、逆子は出産予定日という「締め切り」と、日に日に大きくなっていく「お腹」、という、目に見える制限時間がある、という点で、患者さんご本人へのプレッシャーがかかりやすい傾向にあり、焦りを覚えている方は多く見られます。

もちろん、わたしたちも全力を尽くします。しかし……

以前に、下の記事でこう書きました。

鍼灸院で逆子を直したい人が読む話

 

環境は用意してあげられますが、赤ちゃんが動いてくれるかどうか、というところは赤ちゃん本人と神様に任せなければならないので、100%の成功をお約束できないのが心苦しいところです。(100%の成功を約束できる”医療”のことを、世の中では「詐欺」とか「オカルト」と呼びます)

 

わたしたちは神様ではなくてただの人間なので、「人事を尽くす」ことしかできません。

理想的な形で施術ができると、ごくたまーーーーー(100メートル分省略)ーーーーーに「ゴッドハンド」などと(茶化し半分で)言われたりすることもありますが、そんな風に呼ばれることは心底恐ろしいことです。

今回わたしたちが患者さんから喜びの声をいただけたのも、

  • 週数が早いうちに来院していただけた(この方は28週で来院)
  • 定期的に診ることができた
  • 逆子以外に大きな不調がなかった

などの好条件が重なったことによります。

これが、慢性的な肩こりや腰痛、頭痛、冷えなどがあり、妊婦さんご本人の体調を立て直すところから始めなければならなかったとしたら、もっと時間がかかったか、上手くいかなかった可能性もあります。

このような喜びの声を頂くことは鍼灸師冥利につきることで、「明日からもがんばろう」と思える元気を頂けるものです。同時に、鍼灸院の繁栄にもつながることなので、積極的に公開させていただいています。

一方で、自分がやっていることは「人間の身体が、あるべき状態に戻ろうとする大きな流れの中で、ほんの小さな一部分を担うことだけだ」ということを意識しなければならない機会でもある、と考えています。