新入社員(いい響きだなぁ)の岡本悠馬です。
熊谷総合病院で鍼治療
毎週火曜日の午後、養気院のスタッフは治療院からクルマで40分ほどのところにある熊谷総合病院(以下、「熊総」)で治療をしています。
今はまだ、福利厚生として病院の職員さんを対象として治療をしている段階ですが、近いうちに臨床研究の一環として患者さんへの施術を行っていく予定です。というわけで、わたしもさっそく同行させてもらいました。
熊谷総合病院では、現在新しい病棟の建設が進められており、すでに半分ほどは新病棟に入れ替わっています。
鍼治療のためのスペースにはベッドを3台置いてもらい、養気院から鍼や患者着その他を持参して治療にあたります。
「個室でゆったり治療を受けてもらう」というコンセプトの養気院とは異なり、熊総ではスタッフさんが休憩時間などを利用して来室されるため、治療はスピーディにこなしていく必要があります。
着替えのためのスペースはもちろんありますが、施術室のほうは個室ではなく、治療時間も10分〜20分と短めです。その間に、医師や看護師、クラークさんたち、医療の専門家たちに納得してもらう結果を出していく必要があります。
新人(フレッシュな響きだなぁ)のわたしは当面は見学。先輩方の施術を見て勉強します。限られた時間のなかで、的確に問診、動きのチェック、刺鍼、確認をこなしていく姿を、頼もしさを感じながら眺めています。
実はわたし、昼食のあとから胃痛を感じていて、かなりつらくなっていて座り込んでいたのですが、患者さんが途切れた頃合いで治療してもらうことができました。スタッフ総出でお腹や手足を触診されます。触り方がソフトで心地よいので、なんだかもうそれだけでけっこう楽になってきます。最終的に選ばれたのは、すねにあるツボでした。わたしのまだ知らないツボです。
そこに鍼を打ったとたん、お腹に感じていた詰まり・張り感がすっと消えるのを感じました。お腹を押されても痛みはありません。ほかの患者さんと同じく「なんで!?」と思ってしまいます。
治療を見学させてもらい、自分も治療してもらい、至れり尽くせりの新人ライフを送っております。
MEG室へ
熊総に行く目的は、実は治療だけではありません。臨床研究のためでもあります。
ここ熊総には「MEG(脳磁図)」という、脳を計測するためのスーパーマシンが設置されており、さまざまな研究が進められています。
このMEGを利用して、鍼が人体に作用する仕組みを調べようという意欲的な試みがはじまっています。
具体的に何をするかというと、通常状態でいちど脳をスキャンし、鍼治療を行った後で再びスキャンします。そうすると、鍼治療の前後での脳の状態がわかる、ということです。(わたしもまだ勉強不足なので、ざっくりとしか説明できませんが……)
同じマシンは北海道は帯広の北斗病院にも置かれており、そこでは同じ整動協会に所属する快気堂鍼灸院白石の谷地先生が鍼灸師のリーダーとして実験に参加しています。
今回は、ちょうどMEG室に研究協力者として居合わせた心理士の方お2人と、MEG担当の先生、技師さんに施術をしました。
養気院で夕方からの診療が待っているので、ここで時間切れとなってしまいましたが、MEGを使った研究はまだまだ始まったばかりで、健康な人のデータも必要だということですので、次回以降はわたしたちもMEGに入ってスキャンしてもらうことになりそうです。許可を頂いて写真を撮影しましたので少しだけご紹介します。
1台数億円するというMEGの機械
数億円のベッドで施術する鍼灸師は世界にもそうはいないでしょう
このブログでも、引き続きレポートしてまいります。