院長の栗原です。
社内合宿。昨年を例外として毎年行っています。先日の水曜日(11/2)の午後を休診したのはそのためです。11/2〜11/3の1泊2日のスケジュールでした。
現在、当院には鍼灸師が私を含めて4名在籍しています。全員が同じレベルの技術を提供できるように努めているわけですが、今回の合宿もその一環として行われました。
東京の品川にある姉妹院の「はりきゅうルーム カポス」の2名も合流しました。鍼灸師としては6名のチームですが他にもいます。私の妻も裏から支えてくれていますし、学生のアルバイトが2名いますので、合わせて9名のチームです。会社の拡大より一人ひとりのメンバーの成長を優先しています。
説明できる自由
鍼灸は人がやるものなので、完全に同じ施術はありえません。同じ鍼灸師でも日によって変わります。患者さんのコンディションによっても変わります。ある意味では、臨機応変に施術が変わることが鍼灸の魅力だと思っています。
とはいえ、あてずっぽうにツボを選んで鍼をしてよいわけではありません。背景にはしっかりとした理論を持って根拠のある施術をしなければいけません。どんな施術をするにせよ、その施術の意図や根拠を説明できなければなりません。
なんとなくやっていては人に説明ができません。患者さんにはごまかしできるので同業者に説明できることが大切です。私たちはチームでカルテを共有しています。担当が変わる時に円滑に運ぶためでもありますが、相互監視の仕組みでもあります。おかしなツボを選んでいればすぐにわかります。
こうした仕組みがあるので、私はスタッフにこのツボを使いなさいという指示はいっさいしません。説明できる範囲であれば自由にやってよいのです。
鍼灸院によっては、スタッフが各々自由にやっているところもあります。それにはその魅力があると思いますが、同じチームでやっている意味が薄くなるように思うのです。我がチームには「説明できる自由」を与えています。
鍼灸師の腕は練習環境で決まる
チームで運営することの最大のメリットは、技術力を高めやすい環境があることです。鍼灸施術はやって上手くなるものです。チームで互いに身体を貸して練習できることは大きな大きなメリットです。
プロだから私たちは上手なわけではありません。プロだから自分の下手さを知っているのです。当院では主に鍼を用いていますが、練習すればするほど上手くなるのです。合宿以外でも時間があれば練習をするときもあります。
それだけではありません。技術セミナーを主催していますので、全国の鍼灸師と交流しながら技術研磨もしています。話がそれてしまいそうなので、話を合宿に戻して様子をかたんに報告します。
鍼灸には和が似合う?
会場となったのは埼玉県の公共施設です。
副院長の岡本が探してくれました。利用料が本当に安くて助かりました。慰安旅行ではないので贅沢はしません。午前までいつも通りに営業をしてすぐに出発。クルマを1時間半くらい走らせて宿に到着。
練習場としてお借りしたのは畳のある和室です。イグサのよい香りがしていました。こういう雰囲気の施術室もいいかもしれません。
基礎がいちばん大事
社内合宿では、高度な理論を展開していくわけではなく、むしろその逆です。基礎をやります。基礎は十分なな時間があるときしかできません。ツボを探すときの指や身体の使い方をじっくり見直しました。
施術室で
「なんでわかるんですか?」
と言っていただくことがありますが、それはこういうことです。私たちは日々「どうしたらツボがわかるのか?」と考えてトレーニングしているのです。互いに改善点を言い合える仲間がいるからできることです。
どんなに優れた理論があっても、ツボがわからないと使えません。ツボがわかるようになると理論をどんどん使えるようになります。私たちは、従来の鍼灸理論を尊重しながら、欠点に大胆に踏み込んで新しい理論構築にも挑戦しています。
私たちの施術が「他とは違う」と思われたら、そういうことです。わかりやすい施術を提供するために、特に即効性を重視したものになっています。
また日常へ
1日半はあっという間に過ぎ去ります。会場に感謝をして家路につきます。みんな、おつかれさまでした。翌朝は「研修ありがとうございました〜」とスタッフからお礼が入り、幸せな気分となりました。私は東京に向かいます。養気院を留守にしてカポスで施術をするためです。毎週金曜日はいつもカポスです。
群馬−東京の往復には慣れっこになりました。いつも同じところにいるより、移動があった方が気分転換になります。ちょっと大変ではありますが、この生活もなかなか気に入っています。
だいぶ気温が下がってきましたね。冷えないように気をつけてお過ごしください。