こんにちは。石井です。
若かりし頃ですが、私には最強を目指した時期がありました。
ちょうど岡本さんから以下のような課題も出されたことですし
最強を目指した石井がなぜ少林寺拳法を始めたのか、また少林寺拳法の魅力について皆さまにお伝えしていきます。
少林寺拳法とは
一言でいうと「護身のための拳法」です。
「少林寺拳法をしていた」というと、「少林サッカーみたいなことできるの?」とよく質問されます。結論から言うと、できません。夢を壊してしまい申し訳ございません。あんなんできるならきっと世界的な有名人になっているはずです。ちなみに映画でよくみる「アチョー」もしませんし、言ったことはありません。「少林寺」と「少林寺拳法」は異なる武術です。
ではないです^^;
宗道臣という1人の男が中国で拳法を学び、日本にその技を持ち帰りました。そこから、日本人に合わせてアレンジしたのが、「少林寺拳法」です。ベースは同じかもしれませんが、今では全くの別物として考えられています。
「少林寺拳法」は護身すなわち自分を守ることを目的としており、最強になることを目的とはしていません。厳しい修行もありません。なので、老若男女問わずに幅広い層に支持されています。肉体の強さや運動神経を求めていないので、運動を何もしてこなかった人でも始められます。むしろ大学の時は運動未経験者の方が活躍してる印象がありました。
護身術を学ぶために練習を行いますが、何か目標がないと中身がない練習になってしまいます。そのため、分かりやすい目標設定の一つに大会があります。大会は基本的に組演武が主流で行われます。簡単に述べると、空手の型みたいなものを二人一組になって行うものです。空手と違うことは、突きや蹴り以外に投げ技や固め技も行う面です。そして、技の完成度など演武の出来を審判の先生たちが評価し、その合計点で順位をつけます。
このような大会で入賞するのを目指す人もいれば、ひたすら技を磨く人、健康のために行う人など、個人の目的に合わせて行うことができるのが少林寺拳法です。
出会いと大学
高校生2年の冬の頃、私は進学クラスに属しており、学校では教科書ばかり読んでいました。しかし、その反動なのか学校以外では漫画ばかり読んでいました。その時、『刃牙』という漫画と運命的な出会いをしました。知っている方も多いかもしれませんが、最強の格闘漫画です。「刃牙になりたい!」と思ったのが武道に興味を持ったきっかけです。今思えばかなり無謀な挑戦でしたね。強くなりたいと思いつつも当時は受験勉強もあったので断念。
時が過ぎ、無事大学に入学。さて、何をしようかなとサークルや部活を探している時に、「少林寺拳法」の文字が目に止まりました。なんとなく調べるもよく分からない。「百聞は一見に如かず!見学に行こう!!」と行動に移しました。私が入学した岡山大学は当時、中四国で1、2位の成績を残しており、すごく活気がありました。ちょうど大会前だったこともあり、組演武が盛んに行われていました。刃牙のような強さを求めていましたが、その時に先輩たちの動きに魅了され、あんな風に動きたいと思い、それが少林寺拳法を始めるきっかけとなりました。
少し目的がそれたかもしれませんが、それからはどっぷりはまり、中四国の大会で何度か入賞し、最優秀賞(1位)も取ったことがあります。(組相手が良かっただけですが^^;)
少林寺拳法を行う中で、強くなる→大会で活躍する→気持ちよく動く→気持ちよく人を倒す、と目的が変化しましたが、その目的ごとでの楽しみがありました。
刃牙になる夢は叶わなかったですが、何か起きた時に対応できるくらいの術は身についたと思います。さらに、動きを通じ自分自身のくせに向き合えたことも良かったです。
おすすめする人、逆に勧めない人
おすすめする人
①武道に興味がある人
少林寺拳法は突きや蹴りといった剛法と、投げや関節技といった柔法のどちらも学ぶことができます。「どっちつかずになるやん?」と思ったそこのあなた!! 実は剛法と柔法には共通する足さばきや体の動かし方があります。なので、達人の先生たちはどちらもずば抜けています。最初は片方だけが得意な人が多いですが、そのうちにどちらも得意になるのが少林寺拳法の魅力の一つです。
②子どもがいる人
子どもの時に少林寺拳法をやっていたという人は意外と多くいます。護身の術に加え、礼儀作法も学ぶことができるからです。さらに、上記で述べたように組演武というものがあるのですが、大会によっては親子の部があります。子どもと一緒に大会に出るのは楽しそうだな〜と学生の時に思っていました。
③自分を守りたい人
少林寺拳法の技の中で自分から攻めるものはほとんどありません。相手から攻められたのに対して、守り、反撃する技で構成されています。日本の治安は良いと言われますが、物騒な事件も多々あります。そういった人的脅威から身を守るのに最適です。
④うどんが好きな人
少林寺拳法の本部は香川県の多度津(たどつ)市にあります。なので、香川に行く機会があるかもしれません。本部に行ったついでにうどんを食べることをおすすめします。
あと、香川では骨付鳥もおすすめです。普段口にするのはひな鳥が多いですが、ここでは親鳥も食べることができます。親鳥は弾力があり、噛みごたえがあって私は大好きです。
逆に勧めない人
①とにかく殴ったり、蹴ったりしたい人
殴ったり蹴ったりしてストレスを発散したい人にはおすすめしません。なぜなら、うまくかわされ、反撃されるからです。そうなると逆にストレスが溜まります。
②肉体の強さをひたすら求める人
昇級・昇段試験には実は座学もあります。これは、少林寺拳法が「社会に役立つ人づくり」を目指しているからであり、決して武術だけできればいいやとは考えていないからです。
個人的に好きな教えの中に「拳禅一如」と「力愛不二」があります。簡単に言うと、「拳禅一如」は「体と心は一体だよ」、「力愛不二」は「力なき愛はただの無力、愛なき力はただの暴力だよ」という意味で、体と心どちらも大切にしています。
なので、体だけ強くなればいいやと思う方にはおすすめしません。
正直、始めるのはハードルが高いと感じている人が多いと思います。ただ、そんなことは全くありません。確固たる意志も特に必要なく、「なんとなく面白そうだな」で始めてもいいかと私は思います。おそらく各道場やスポーツ少年団で見学も行っているので、まずは見に行くことをおすすめします!!
私は大学卒業時に引退しましたが、子どもができ、私生活に余裕がある時は一緒に始めたいな〜となんとなく思っています。
少林寺拳法 初段 石井 佑