院長の栗原です。
今回は「鍼はどれくらい痛いのか?」というテーマなんですが、あえて「痛くないですよ」と言わずに「どくらい痛いのか?」と痛いという前提の書き方をしました。
今日はこんな言い方をしてみようと思います。
「鍼は痛いけれど、たまに全く痛くない」
実際に、いつ刺されたのか本当にわからないときがあります。ですが、いつもわからないとは限らないので「痛くないですよ」と言ったら嘘になります。
ここからは現実路線で考えていきましょう。
小学生でも大人と同じ鍼が受けられる
この写真は9歳の男の子の背中です。
見ての通り鍼が刺さっています。鍼を受けるのが好きな子で、たびたび鍼を受けています。

この鍼は5ミリくらい刺入されているのですが、鍼をされたときに声一つ出していません。
実は、この男の子というのは私の息子です。特別がまん強いわけではありません。他の9歳と違いがあるとすれば、体に鍼が刺さることを“ふつう”のことと思っています。親の仕事を間近で見ていますし、5歳くらいから鍼を受けているので。
親が鍼をするから大丈夫というわけではありません。当院のスタッフの誰がやっても大丈夫なのです。

鍼は安全という感覚
息子にとって鍼は危ないものではありません。専門家が扱えば危ないものではない、ということを感覚的に理解しているのです。環境の影響が大きいと思います。
実は、そんな息子でも、たまに「ちょっと痛い」と言うことがあります。その「痛い」は安全な範囲だとわかっているので、動揺することもありません。伝えれば加減してくれるだろう、という程度の感覚で言っているのだと思います。
鍼は鍼灸師が操作するものですから、その如何によって感覚は変わります。
「痛いか、痛くないか」と二分できるものではなく、「痛い」と「痛くない」の間はすごく広いのです。はっきりお約束できるのは、鍼治療は悶絶しながら受けるものではないことです。見ての通り、小学生でも受けられます。実際に小学生の患者さんもいます。
ちょっと意地悪な言い方をすれば「あなたは小学生が普通に受けているものを怖がっているのですか?」ということなです。
大切なのは信頼関係
とは言っても鍼なんですから怖いのは当たり前です。怖くなく受けるには信頼関係が必要です。私たち鍼灸師が安心感を与えられるように振る舞わなければなりません。
一般的にベテランの方が安心と思うかもしれませんが、施術歴は関係ありません。なぜなら、安全管理は施術上のルールなので経験年数で差が出ることはないからです。

ベテラン鍼灸師ほど痛くないのか?
ベテランの方が痛くない、というわけでもありません。ツボに当てるのが上手い鍼灸師ほど「ひびき」と言われる独特の感覚を誘発することはあります。指圧されて「気持ちいい」と感じる、あの感覚の鍼バージョンです。
痛みとは区別したい独特の感覚ですが、鍼は危険なものという認識があると、痛みとして感じてしまうことがあるかもしれません。
ある日、ご家族の連れて来られた患者さんが、施術前に「痛くないんだろ?」と聞いてきました。鍼を怖がっていることが様子からわかります。
案の定、「痛っ!」と声を出しました。まだ消毒のアルコール綿花を付けただけです。アルコールのヒンヤリする感覚も、怖がっていると痛みとして感じてしまうのです。
