いざ品川へ!
初めまして、4月から養気院勤務となりました新入社員の吉岡貴人です。
先週末に、養気院入社後初めての整動鍼のセミナー(栗原院長主催)に参加するため、セミナー会場である品川の姉妹院、はりきゅうルームカポスに行ってきました。
整動鍼とは栗原院長が創案した鍼の技術の名称のことです。
整動鍼は定期的に技術セミナーを行っており、全国各地から鍼灸師や鍼灸学生が集っています。セミナーは栗原院長をはじめ、養気院のスタッフらが講師を務めています。
僕は学生時代に数回セミナーに参加しており、久しぶりのセミナー参加となりました。
4月から養気院に入社したため、これからは運営の補助や、記録用の撮影等も行います。
今回のセミナーは2日間にかけて行われ、時間をかけて技術の習得に励みます。
今回行われたものは、実践トレーニングを目的とした内容で, 事前に何をするのかは伝えられておらず、とても緊張していました。
1日目スタート
2日間あるうちの1日目がスタートします。
今回の実践強化講習はキャンセル待ちになるほどの人気で、定員が埋まり18人の鍼灸師が集まり、全国の鍼灸師がお互いの技術を高め合います。
参加者の方の中には以前にもお会いしたことがある方がいたため、ほんの少し緊張が和らぎました。
さて、まずはじめのテーマは臨床での苦労、お悩みの相談です。
ここでは、どのツボを使って治療をするのかという技術的な面以外の質問が多く出ました。
臨床経験の浅い僕は、ここで意見を出すことはできませんが、次々と出てくる話題に興味津々です。
例えば、鍼の刺激に対する感度の違いについて。
ここでいう感度とは、鍼を打ったときの患者さんの反応のことを指します。
本来、鍼がツボにピンポイントであたった場合には、体が勝手に鍼の刺激に反応するため、気持ちよさであったり、何かしらの感触を覚えますが、鍼がツボに当たったときの感じ方は人それぞれなので患者さんの反応が悪い時もあります。
しかし、反応が悪いから効果が出ていないというわけではなく、実際に動作の改善や、痛みがとれていることはたくさんあります。
なので、施術者側が自分の手で確認をして効果の判定をし、その結果を患者さんにきちんと共有することが大切とのことでした。
鍼灸師として働いている参加者の方々は、似たような悩みを持っている方が多いようで、共感の声が多数上がりました。
他の意見の中にも、これからの教訓になるようなことがたくさん出てきて、身が引き締まる思いでした。
基礎の基礎
午後に行われた実技では、ツボを正確に捉える練習をします。
固く凝っているところに鍼を打てばいい、ということではなく、その硬さもどの深さにあって、どの方向に押したときに一番正確なツボの中心を捉えられるか、がとても重要になってきます。
闇雲に探して打った鍼と、そうでない鍼とでは効果の差は歴然です。
適切な押す方向や、強さなどを講師陣から教えていただきます。
なんと力を入れるポイントは指の腹ではなく、肘でした。
指だとどうしても力が入りすぎてしまったり、相手側の筋肉も緊張してしまい深いところまで指を沈めることができません。しかし肘を支点に力を入れていくと余計な力が抜けてすんなりと深いところが沈んでいきました。
学生の頃にもセミナーに参加した際に、正しい押し方をアドバイスしていただいてましたが、改めて確認してもらうと、修正点がたくさんあり、基礎の基礎の内容もおろそかにしてはいけないということを強く感じました。
練習中や講義中に出てくる受講者の方々の疑問に対して、栗原院長が受講者の前で実技をしながら、やっていることの説明をします。
記録用で撮影係をしていたため、各項目の練習に入る前の栗原院長のデモを最もいい位置で見ることができました。
2日目にして鍼登場
2日目は受講者の方から「栗原院長が普段の臨床で何をどう考えながら治療をしているのか見たい」ということで、実際に症状のある方が前に出て、その人を院長が治療をするという内容から始まりました。
普段のセミナーでは、決まった内容に沿って進行していくため、院長が施術中に考えていることは、なかなか聞くことができません。
脳内で考えていることを共有したことによって受講者さんたちはご満悦!
と同時に僕はついていけないことにがっかりしました。
ただ話していることは決して難しいことではなくて、どれもセミナーでやっていた内容を話していたので、整動鍼が再現性の高い治療であることを再認識できました。
(写真:吉岡の練習風景)
時間をかけて栗原院長の脳内を理解しようとし、最後に全員で鍼先でツボの感覚を正確に捉えるという目的でやっと鍼を使いました。
前日に行ったツボを捉える練習の応用です。
どの深さでツボの反応を捉えるのか、全神経を鍼先に注ぎました。
しっかりと鍼先に意識を向けることで、ツボにあたったときの感覚や緩む感覚がわかり、とてもいい練習の機会になりました。
まとめ
今回の実技は治療法よりももっと基礎的な内容でした。
しかし、実技を通して指摘されることがいくつもあり、多くのことがまだまだ力不足であることを実感しました。
臨床に出られるまでの研修期間で、今回やった基礎内容を常に意識して体に染み込ませていきます。