副院長の岡本です。
12/18の午後を休診にさせていただき、19の休診日と合わせて1日半の技術強化合宿をしてきました。
今年の6月に第1回の合宿を伊香保温泉で実施しておりまして、今回が第2回となります。
会場は、埼玉県比企郡吉見町というところの研修施設を利用させていただきました。
第1回に続いて群馬の温泉地にしてもよかったのですけれど、ここだとちょうど養気院と姉妹院のカポスの真ん中くらいの位置になるので、東京から電車で来る佐藤廉くんがラクなのです。
しかもここだと研修に集中できる静かな環境があり、技術強化に最適です。宿泊費も温泉地よりリーズナブル。
12/18(水)1日目
午前の診療を終え、いざ集合場所の鴻巣駅へと向かいます。およそ1時間の道のりです。廉くんは品川駅から高崎線に乗り、同じく1時間ほどかけてやってきます。無事に廉くんをピックアップしたら、向かうところはそう、昼食です!
ラーメン大好き廉くんのために、僕が事前に(なんとなく)考えていたのはここ!
「次念序(じねんじょ)」という名前のつけ麺屋さん。駅から近くて、なんかチョット有名なお店のようなので、迷わず入ってみることにしました。
店に入ったのは14時過ぎで、ランチタイムの終わりごろだったにもかかわらず、店内はわたしたちの他に5、6人のお客さんが待っていて、後からもどんどん人が入ってきます。
待合のためのスペースがあり、「そういえば栗原先生ってラーメンあんまり食べないですよね〜」「あんまり食べないね〜」などと言って談笑しているうちに順番がやってきました。
やってきたつけ麺(味玉のせ)です。
麺、ふと!
並盛にしましたが丼鉢にこんもりと盛られており、このときばかりは
「上げ底であってくれ」
と祈りましたが、無論上げ底ではありませんでした。
小堀くんなどはこれを大盛りで頼むものですから大変な量です。
多い…
それでも一番に食べ終わっておりました。「食べられるうちにたくさん食べておくのだよ」と、30代のわたしは生暖かい目でその食べっぷりを見つめているのでした。
腹ごしらえもして、買い出しなんかもして、いよいよ宿舎に向かいます。
会場はここ「フレンドシップハイツよしみ」というところ。
友情を育むにはもってこいの場所です。
チェックインの手続きをしているわたしたちを迎えてくれたのはこの「フレンドシップ水族館」です。
ふと、「“館”の成分はいずこに……?」
などと野暮なことを考えてしまいましたが、英語にすれば「フレンドシップ・アクアリウム」。これだと規模の大小を問いません。
外国語に堪能なわたしはとっさに脳内変換を行うことでなんとか事なきを得たのでした。義務教育を受けていてよかったと実感する瞬間です。
チェックイン後、部屋で一休みしてから、別棟にある研修室にへと向かいます。
持参したベッドなどの器具をセットして、さっそくツボを取る訓練を開始しました。
ツボを取る訓練をしばらく行った後に待っているのは……そう、ツボを取る訓練です。
ツボを取る訓練をある程度きりのいいところまでが終わったところで、夕食前の最後の時間に行うのが……ツボを取る訓練。
ツボを取る訓練をひたすら行っているうちに、夕食時間となりました。
夕食はバイキング形式となっており、めいめい好きなものをお皿に盛り付けて食べられる方式となっています。なんでも、平日はキャンペーンをしていてソフトドリンクや生ビールが60分間飲み放題とのこと。
お酒好きの廉くん、食後にも練習を控えているというのに、あわや“飲酒訓練”かというギリギリのところまでいってしまっていました(結局飲まず)。
そしてこちらの青年……仮に名前を「K」としておきますが、ポテトやらパスタやらでお皿がてんこ盛りになっています。
一人前より多い量を食べておきながら、このあとさらにおかわりをしにいくという暴挙に出ます。ほんの数時間前に大盛りのつけ麺を食べたことを忘れているのかもしれません。しっかりたいらげてしまったKは、その後強烈な満腹感に苦しめられることになるのです。
さて、しっかり腹ごしらえもしたところで(約1名、こしらえすぎの人がおりましたが)、研修室に戻って夜の練習に入っていきます。
夜の練習のハイライトといえば、やはりなんといってもツボを取る訓練でしょう。というわけで、ひたすら、ただひたすらに精確なツボの位置を体に覚え込ませるべく、時間いっぱいまで練習を続けます。
途中から、栗原院長が構想している新たな理論の検証に入り、わたしたちの体で試験をします。
この新理論は2020年の秋以降に「臨床編」と題した一連のセミナーへと進化していく予定です。
どうやら院長の頭の中ではとんでもないものができあがりつつあるらしく、
「これはすごいよ〜」「とんでもないよ〜」と、うわごとのようにつぶやき続けていました。合宿から戻ってきてからもずっと言っています。
さて、半日の練習もあっという間に終わり、大浴場に繰り出した後は部屋でのリラックスタイムへとなだれ込みます。
といってもささやかなもので、ちょっとだけお酒を飲んで(下戸の栗原院長はヨーグルト)、談笑タイムです(通称「たべたりのんだり会」)。
わたしが持っていったゲームなんかもしたりして、あっという間にフレンドシップハイツの夜は更けていくのでした。
枕投げはしませんでした。大人なので。
12/19(木)2日目
2日目、朝食もバイキング形式です。朝から麻婆豆腐が提供されるという大盤振る舞い。もちろん、逃すはずもなく、ほどよいピリ辛で目が醒ました。朝マーボー、ありなんではないでしょうか。
朝食後、宿舎をチェックアウトします。研修室だけを借りて、さっそく練習を続けます。
iPhoneで撮影し、iPadに画面を映し出すという試み。自分の背中が目の前にあるというのは実に奇妙な体験です。
ありそうでなかった!珍しく院長が患者着姿です。本邦初公開かもしれません。
わたしたちが院長の体をチェックして鍼を使って、理論が正しいかどうかを検証します。
冬だというのに汗をしたたらせながら(?)、ツボ取りにいそしむ小堀くん。
あっという間にお昼になりました。
昼食は外出して、近所の洋食屋さんに繰り出しました。事前にGoogle Mapとかで調べていったのですが、オーナーは東京の名店で20年修行した方だそうで、否が応でも期待は高まります。
今日のランチは野菜カレーにチキンカツ定食、そして豚の生姜焼きです。
壁に貼ってあったカレーのメニューには、「5日間かけてじっくり煮込んだ」とあります。
店員さんに「単品のカレーとランチのカレーは同じものなんですか?」とたずねてみたところ、「ぜーんぜん違う!」とのこと。どうやらランチのカレーはお手軽版のようです。廉くんはそちらを頼みましたが、カレー大好きっ子の院長は敢えて値段が張るほうの単品を注文。
魚好きの岡本はアジフライ定食を。ボリューム命の小堀青年はチキンカツ定食を注文したのでした。
ランチと単品、運ばれてきたそれぞれのカレーの香りをかぐ院長。「これは全然違うよぉー!」と嬉しそう。
わたしもちょっと味見させてもらいましたが、たしかにスパイス感が違う。ボリュームもあって、大満足で店を出ました。
昼食の後、少しだけ観光をということで、「吉見百穴(よしみひゃくあな)」という名所に行きました。ツボのことは「経穴(けいけつ)」呼んだりしますし、ツボを取ることは「取穴(しゅけつ)」といいます。取穴が命の鍼灸師にとっては聖地といってもいいくらいの場所です。
岩山にすごい数の穴が空いている…という場所で、古代の小人(コロボックル)の住居説などもあったそうなのですが、お墓だったのだろうというのが定説になっています。
なぜか顔はめパネルは百穴ではなく、いちごでした。
吉見町はいちごでも有名だそうです。しかしここは百穴で顔はめをしたかったというのが正直な感想です。写真は栗原院長の首の角度が決まらず、何枚も撮影して、満足いくものが撮れました。
穴、穴、穴…ひたすら穴を眺め、覗き込み、空洞に向かって「わーっ」と言ってみたり、林を散策したり、高台に登って景色を眺めたり、ちょうどいい息抜きの時間を過ごせました。
昼食後、残された時間もみっちり練習して帰路についたのでした。
わたし自身は、課題としていたツボの精度がかなり上がり、他に誘惑のない環境で集中して特訓できたことでレベルアップを果たせました。技術の向上にはもちろん終わりがありません。日々コツコツと上達していけるよう、みんなと一緒にこれからも修練にいそしむつもりです。
栗原院長「できたら毎シーズンやりたいね」
ということで、さっそく第3回となる春季合宿の計画なども練っています!