顎関節症
すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。
症例2
患者
男性 50代
来院
2017年1月
症状と来院理由
一週間前から左の顎関節に違和感が出現。きっかけとして思い当たる節がない。口を開けるとポキポキと音が鳴り、顎が外れてしまうような怖さを感じる。普段の会話程度では大丈夫であるが、食事の時には思い切り口を動かせない。湿布を貼っても痛みが取れない。治る様子がないので来院。
治療と経過
初めに口を大きく開けたりしながら、顎の動きを確認した。半分程度開けると違和感や痛みが出現して表情が曇る。顎が外れるような感覚があり、不安で全開にできない。頬の筋肉(咬筋)の辺りの緊張を緩めるために、脊柱にあるツボを使ったところ、違和感が軽減し開閉が楽になった。肩甲骨にアプローチすると、さらに改善した。口をほぼ全開にできるようになり、痛みは半分程度まで軽減した。最後に手のツボで状態を安定化させ、施術を終了した。その数日後、電話にて順調な回復を確認した。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ
T3(1)L 肩参L 外谷L
考察
顎関節はデリケートな関節であり、精神の影響を受けることも多い。この症例ではハッキリした事柄が浮かんでこなかった。また、額は頭蓋骨から釣り下がっていることから体軸の影響を直接受ける。したがって顎関節のトラブルは全身に目を向けなければ根本的な解決は難しい。この症例は胸椎3番の調整で解決した。比較的早く治療を開始できたため、癖にならずに済んだ。[YMKK310117]
症例1
患者
女性 20代 栃木県
来院
2010年10月
症状の特徴と経過
右の顎に突然痛みが出現し口が開かなくなった。食事や会話に支障が出ていた。歯科を受診していたが改善の兆しが見えなかったため来院。
既往歴(これまでにかかった病気)
特になし
治療の内容と経過
口を全開にしても指一本しか入らない。何もしなくても痛みがあるため、初回は痛みを緩和させることに主眼を置いた。2回目の来院時には、痛みが緩和されていたが顎の可動域に大きな改善はなかった。2回目は、可動域の改善を意識しながら痛みの緩和を狙った。肩甲骨の可動域を改善させることで可動域に変化が大きく表れた。2回目の施術後、2〜3日で症状はほとんど消失。3回目の来院時には完治していた(自覚症状なし)。予防のため、2回目の施術に準じて肩甲骨の調整を行った。
著しい効果が見られたツボ・活法
後谿(右)、太陽(左右)、頬車(右)、側頭骨の調整まとめ
2回の施術で治ってしまったのも、発症してから受診まで1週間程度であったことが大きいと思われる。慢性化してしまった症状であれば、適切な施術を行ったとしても、2回(約1週間)で完治することはなかったであろう。顎の動きと肩甲骨の動きが大きく関連していることも、この症例によって再確認できた。額関節症に対して顎に原因を求めすぎると、「なぜ顎が動かないのか…」という根本的な問題を見落としてしまう恐れがあり注意しなければならないと感じた。
[YFNO05102010]
症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。