膝痛
すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。
症例3 軟骨が磨り減っていると言われた膝痛
患者
女性 70代
来院
2016年12月
症状と来院理由
3ヶ月前、右膝に違和感があったが、気に留めていなかった。その一週間後、歩いていると右膝に急激な痛みを感じ、歩けずタクシーで帰宅した。病院でレントゲンを撮るが骨に異常はなく、「軟骨がすり減っている」と診断された。整骨院に週2〜3回通い、手技療法と電気治療で歩けるようになったものの、痛みは治まらなかった。4週間前からふくらはぎに重だるい感覚が出現。1週間前には足首に痛みが出現。現在は近くのスーパーに買い物に行くのが精一杯とのこと。通院中の息子さんの紹介で来院。
治療と経過
まず、ふくらはぎの重だるさを取るため腰部のツボに鍼を行った。次いで、膝の軸を調整するため臀部に鍼を行うことで、膝の曲げ伸ばしが楽になり歩行がしやすくなった。
それから3日目、さらに膝の調子が上がり、痛みが気にならなくなった。
2診目、足のだるさが夕方のみ気になるため、腰部を緩めると軽減した。
3診目、「日常生活で不便を感じないほどになった」とのこと。痛みもなく状態がよい。「ここに来る前は、このまま歩けなくなったらどうしようかと思った」と感想を頂き、計3回施術で治療を終えた。
同時に治療した症状
ふくらはぎの重だるさ
使用した主なツボ
膝根R L4(2)R
考察
膝には熱感や腫れがなかったため、膝の関節そのものには原因がないと考えた。膝が痛む時、膝自体に原因がないことがある。腰や脚の硬さが膝に負担をかけているケースが目立つ。今回のケースは、膝を痛めたわけではなく、膝の曲げ伸ばしに関係する腰臀部が過緊張を起こしていた。この根本的な原因を取り除くことができたので速やかに改善した。[YFTK031216]
症例2
患者
男性 40代 群馬県
来院
2014年11月
症状
日頃から時々10km程度のジョギングをしているが、久しぶりに20kmの距離を走ったら左膝の外側に上(大腿外側の一番下)に痛みが出現。痛みはジョギング中、10km過ぎから軽く感じていたが20kmを走りきった。翌日になっても痛みが取れず日常生活での屈伸動作でも痛む。いわゆる「ランナーズニー」と言われる症状。
同時に治療した症状
突発性難聴(治療中での相談)
治療の内容と経過
触診をしてみると、左の膝関節そのものには以上がなく腫れも赤みもなかった。痛みのある部位は膝関節から指2〜3本の幅登ったところで、強触れると張っていた。ここを緩めることができれば痛みが取れると考え、足首と脚の付け根の外側に注目した。左足首の外側のツボ(申脈)と、中殿筋(臀部外側の筋肉)を緩める目的で左の手首にあるツボ(養老)に鍼をしたところ、筋肉の強張りが消え痛みもほぼ消失した。
著しい効果が見られたツボ
申脈L 養老L
考察
この症状でのポイントは、膝関節そのものに問題があるのか、大腿もしくは膝下の筋肉に問題があるのかを鑑別しておくことにある。この症状は走りすぎによる筋疲労が度を超えたことで生じた筋肉の痛みである。下の足首側と上の臀部側を緩めたところ、該当部位の筋緊張を緩み、症状のほとんどがその場で消えた。足首、膝、股関節の連動が整い、筋肉の余計な緊張が抜けたと考えられる。仮に膝関節に炎症が起こっているとすれば、腫れや熱感があり、治療後痛みがほとんど消えることはない。炎症が治まるまでの時間を考慮しなければならない。[YMTS081114]
関連情報
・ランナーズニー(腸脛靱帯の痛み)に申脈と養老
症例1
患者
男性 20代 群馬県
来院
2007年8月
症状の特徴と経過
2006年9月、趣味のバスケットの試合中に右膝の靱帯を傷めた。3か月間、整形外科と接骨院にてリハビリ。だるさ、違和感が取れないまま。 2007年3月、右膝の内側を「グリッ」と再び傷める。 2007年8月、整形外科にて膝の水を抜こうとしたが出なかった。ヒアルロン酸の注射をしたが、効果は見られず。
既往歴(これまでにかかった病気)
足首の靱帯損傷(高校3年生)
治療の内容と経過
大腿四頭筋に強い緊張(筋肉のこり)があったため、緩ませるように施術。一度の施術で著しい効果が見られ、膝の違和感が大幅に緩解。その後もケアのため来院。
著しい効果があったツボ
梁丘(右)、犢鼻(右)、足三里(右)まとめ
治療やリハビリをしていたにも関わらず違和感が残っていたため、完治は諦めていた様子。「少しでも良くなれば…」という想いだったため喜んで頂けた。
症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。