顔面神経麻痺(ベル麻痺)

すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。

症例8 

患者

女性 20代

来院

2017年2月

症状と来院理由

1週間前、味覚に異常を感じ、舌が「ボー」とした。疲れだと思って気に留めなかった。翌日になって、右目の違和感も出現。ネットで調べ、「顔が麻痺しているかもしれない」と疑った。耳鼻科で「顔面神経麻痺」と診断された。その日の夜に、口の右側が動かなくなった。それから顔の右側全体が麻痺した。薬(バラシクロビル・アデホスコーワ・プレドニンなど)を3日間服用するも、症状の改善がみられなかった。悩んでいたところ、鍼治療が効果があるという情報を得た。医師に鍼治療について相談してから、当院に来院された。

顔面神経麻痺の症例(鍼灸/群馬県伊勢崎市) 

治療と経過

頚の前側(胸鎖乳突筋)に顕著な緊張がみられた。その緊張を解くよう手のツボに鍼をした。直後から瞬(まばた)きができるようになり、口角に引く力が戻ってきた。背中のツボに鍼を加え、初回の施術を終えた。2回目も同じ方針で施術を行うと、目や口の動きの大幅に改善し、味覚が戻った。4回目の施術を終えた後から、顔の違和感がほぼ消えたので、その後、3回の施術で終了した。

同時に治療した症状

なし

使用した主なツボ

合谷R 下おろしR

考察

発症してから1週間以内に鍼治療を始め、短期間に集中的な治療を行ったため、極めて経過がよかった。顔面神経麻痺は発症から治療への期間が早いほど予後が良く完治しやすい。[YFMS080217]

 

症例7

患者

女性 10代後半

来院

2016年9月

症状と来院理由

3週間前に中耳の手術を行った。その直後から左顔面が上手く動かせなくなった。学校の授業中、眼が閉じれず瞬きができないので、眼が乾き涙が出る。口が動かず笑うと顔に違和感が強いためマスクを外せない。食事の際、舌の左側で味を感じにくい。ネットで検索し来院された。

鍼灸_症例_顔面神経麻痺(ベル麻痺)_YFTN070916

治療と経過

顔面神経麻痺は頚や顎の緊張が原因となっている場合がある。触診にて、胸鎖乳突筋に強い緊張を確認。手と背中のツボに鍼をすることで緊張が緩和された。来院時より、目を閉じやすくなった。翌日にはさらに目を閉じることができ、若干隙間がある程度になった。同方針で治療を続け、5回目の治療でマスクなしでも人目が気にならなくなった。味覚も正常になった。瞬きする際に左右のタイミングが違い違和感を感じる。足のツボを加えることで改善。10回目の治療で顔の違和感を残すことなく改善した。

同時に治療した症状

なし

使用した主なツボ

合谷L T2(2)L L1(2)L 太衝L

考察

手術後の後遺症として、顔面神経麻痺が発症したと思われるケース。手術により身体にストレスがかかり、頚や顎周りの筋肉に緊張を生み、顔面神経に影響を与えたと判断した。触診で頚や顎の周辺の原因となっているポイントを絞り、緊張を取ることができたことが今回の結果に繋がった。顔面神経麻痺では1日でも早い治療が必要なる。今回のように早期に治療を開始できたことも、改善できた大きな要因である。[YFTN070916]

 

症例6

患者

男性 20代 群馬県/前橋市

来院

2012年9月

症状の特徴と経過

3年前にベル麻痺(左)となり病院にて治療。症状が治りきらず感覚で2割程度の症状が残っていた(笑ったり食べたりする時にわかる程度)。そのまま過ごしていたところ、早朝3時に左の顔に違和感を感じた。頬は時々ピリピリと痛み、顎の下に腫れを感じた。すぐにインターネットで医療機関を調べ当院の情報にたどり着き、その日に来院。

既往歴(これまでにかかった病気)

ベル麻痺(3年前)

治療の内容と経過

発症して間もないベル麻痺だと思われる。比較的軽度であったことと、すぐに施術を開始できたことは幸いであった。4日間で3回の施術を行い治療を終了(2回目の後で症状はほぼ感じない)。3年前の後遺症(2割程度残った症状)は取れていないが、希望がなかったため施術を終えた。

著しい効果が見られたツボ

外労宮(左)、翳風(左)、魚際(左)

まとめ

発症直後のベル麻痺を診る機会は非常に少ない(病院での治療を受けた後に来院される方が多いため)。発症から1〜2週間、場合によって数年経過してから鍼灸を開始するケースが多い。今回のように、発症間もなく施術を開始した場合、著しい効果が見られる。症状が軽かったこともあるが、3日程度でほとんど消えたことは特筆すべき事柄であると思う。[YMFYT071112]

症例5

患者

男性 30代 群馬県/伊勢崎市

来院

2012年6月

症状の特徴と経過

朝起きて口をゆすいでいたら、水が口の左側からこぼれた。2日後、状態が悪化したため病院へ行ったところ「顔面神経麻痺」と診断された。入院し、点滴(ステロイド)、ビタミン剤の服用、星状神経節にレーザー照射を行った。発症後3〜4日が最も症状が重く、口の中や舌にしびれが出現していた。1週間の入院後、症状は残りながらも仕事に復帰。医師に完治まで2ヶ月ほどかかると言われた。
発症後から11日目に当院に来院。左の表情筋が完全に動いていなかったが比較的軽めと判断。当人は笑うときの違和感が最も気になるという。

他の症状

特になし

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

手、足、頚のツボを主に使って顔面神経の活性化を目標に施術を行った。初回の施術直後から顔が軽くなる感覚が出て、その後も順調に回復。2週間に6回の施術で行い表情の左右差を確認できなくなり自覚症状も消失。

著しい効果が見られたツボ

太衝(左)、後谿(左)、曲池(左)、翳風(左)、風池(左)

まとめ

比較的症状が軽く、発症から約10日と条件に恵まれていたため、順調に回復した。完治まで2ヶ月と言われていたところ、3週間程度(入院1週間+当院への通院2週間)で完治したので十分な成果であったと考えてよいだろう。[YMTH260612]

 

症例4

患者

女性 60代 埼玉県/深谷市

来院

2012年6月

症状の特徴と経過

化粧中に眉の高さが違うと感じた。その翌日、頭痛、のどの奥と耳に痛みを感じた。さらに翌日、目覚めたら顔の右側に異常を感じた。異常を感じたまま2日を過ごし病院へ。点滴(ステロイドだと思われる)と2種類の薬を服用。脳神経外科で精密検査をしたが異常なし。大学病院へ転院し、耳鼻科で「ベル麻痺」と診断され、麻酔科にて高気圧酸素療法を受けたが鼓膜に痛みが出たため中止。その後、近赤外線星状神経節ブロック療法を毎日受けた。最悪時から比較すると、味覚が回復段階にあり、口唇が右に少し動くようになっていた。
当院への来院は発症から約2週間。右側の表情がほとんどない。

他の症状

耳鳴、難聴(ベル麻痺発症前から長年経過)

既往歴(これまでにかかった病気)

耳鳴、難聴

治療の内容と経過

自覚症状はなかったが、肩や頚の硬結(硬さ)が気になったため、肩、胸、背中、頚の血流改善を図った。すると、改善ペースが著しく上がり、日に日に改善するのがわかるようになった。来院から1ヶ月(施術9回)で、麻痺はほんんどわからないレベルに回復。右まぶたが微妙に空いてしまうため、右目の涙が出やすく、シャンプーが目に入るなどの問題が残っていた。その後、3回の施術で症状はほとんど消えたため治療を終えた。

著しい効果が見られたツボ

胸椎の夾脊5番(右)、後谿(右)、翳風(右)、風池(右)、合谷(右)

まとめ

比較的症状が重かったにも関わらず、発症から2週間後という好条件で鍼治療を開始できたことがよかったと思われる。また、週2回以上の通院ペースがしっかり守られたことも好結果につながったと思われる。[YFSK060612]

 

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こちらも合わせて参考にしてください。
患者様ご本人の感想

症例3

患者

男性 30代 群馬県

来院

2007年7月

症状の特徴と経過

仕事の関係で生活が不規則だった。2007年6月、左右の目が結膜炎になった。その後、リンパが腫れ、右手の指先に痺れ、右耳の奥に水が入ってつまっている様な感覚が表れた。原因に心当たりなし。MRIで検査したが異常なし。その1週間後、顔の右側に麻痺が現れた。1週間経っても麻痺が回復しないため来院。接客業も行うため一刻も早く改善させたいとの要望。

他の症状

肩こり、頭痛、目の疲れ・かすみ・乾燥、尿量減少

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

肩こり、頭痛、目の症状は顔面神経麻痺はつながりをもった症状と考え、肩こりの治療をするような意識でツボを選んだ。その結果、直ちに痺れは消失し、顔面神経麻痺も軽減し表情が作れるようになった。上唇の上に残った違和感が取れにくく数回の施術を要した。合計12回の施術で終了。

著しい効果が見られたツボ

合谷(右)、太衝、太陽(右)

まとめ

発症前から発症時は強い不安感が伴ったと思う。術者の立場からも、検査で「異常なし」という結果は安心材料であった。発症のきっかけは推測できなかったが、日々の疲労が肩や頚のこりを悪化させ、その影響が顔面神経に及んだものと考えられた。施術の善し悪しも重要であるが、生活の改善も回復には重要だったであろう。実際には、仕事の関係で生活改善が難しかった。[YMHI20070707]

症例2

患者

女性 30代 群馬県

来院

2006年8月

症状の特徴と経過

2006年5月20日、体に疲労を感じ舌の痺れに気がつく。鏡を見たら顔面の左側に異変を発見。その後、すぐに耳鼻科を受診し入院。顔面神経麻痺と診断されステロイド剤を処方された。2週間の入院によって7割程度(自覚症状10→3)まで改善した。しかし、顔の左半分が垂れ下がったような感覚が消えず、改善が見られないまま月日が経過。日によって症状の程度に波があり、増悪要因として睡眠不足と疲労を自覚している。

他の症状

特になし

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

腹診をしてみると、硬さ(張り)が目立った。全身の緊張(こわばり)が強いことがわかった。東洋医学的には気の停滞が強いと判断した。顔面部に限らず、体の緊張を緩和させる方向で施術を組み立てた。その結果、初回の後から改善を自覚。左顔面の垂れ下がる感じが軽減。その後も施術後の度に改善を自覚でき、15回の施術でほぼ完治。

著しい効果が見られたツボ

合谷(左)、太衝(左)、風池(左)

まとめ

こういったケースでは、治癒を妨げている要因が何かを探ることが大事であるように思う。今回のケースでは疲労だと考えた。また、その疲労にしても疲労しやすい全身の緊張が問題であった。この症例では、全身の緊張をほぐすことで疲れが溜まりにくくなり、顔面神経によい影響をもたらすことができたのであろう。[YFMH20060824]

症例1

患者

女性 30代 群馬県

来院

2006年1月

症状の特徴と経過

2005年12月、仕事などで肉体疲労を感じていた。2006年1月2日、唾をゴクンと飲み込む時に右耳がズキンと痛んだ。2日後の4日の朝、顔の左側の動きが悪くなり、うまくしゃべることができなくなった。ベル麻痺(顔面神経麻痺)と診断された。薬を服用中。

他の症状

咳、風邪

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

風邪で影響でベル麻痺が治りにくいという考えもあるが、この時は、あえて風邪症状を無視して治療を行った。手、足、背中のツボを使用し、顔面部への刺鍼は行わなかった。初診後、右の小鼻をピクピク動かせるように変化。2回目終了後、親知らず(左下)が痛み出したため歯科を受診(鍼の影響で歯の周辺が過敏になった可能性あり)。痛みはすぐに治まった。その後、順調に回復し、11回目後、大きな好転があり、症状が完治に近づいたため13回目で終了。

著しい効果が見られたツボ

合谷(左右)、肝兪(右)、風池(右)

まとめ

発症してから間もないベル麻痺(顔面神経麻痺)は治りがよいが、今回のケースがその例である。発症してから1ヶ月以内に受診されたのがよかったように思う。[YFRO20060126]

 

 

姉妹院カポス(東京都港区/品川駅)も参考にしてください。
「顔面神経麻痺」の症例
「顔面神経麻痺」の患者様の声

ベル麻痺(顔面神経麻痺)
顔面神経麻痺は、顔面神経によって支配されている顔面筋の運動麻痺です。急性あるいは亜急性に発症します。原因疾患が明らかな症候性(しょうこうせい)顔面麻痺と、明らかな原因が不明な特発性(とくはつせい)顔面神経麻痺(ベル麻痺)とに分けられます。
<引用:顔面神経麻痺(ベル麻痺) - goo ヘルスケア

症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

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