肩甲骨周辺(背中)の痛み
すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。
症例2
患者
男性 40代 群馬県/前橋市
来院
2013年7月
症状の特徴と経過
3ヶ月ほど前から、肩、背中、腕にかけて痛みと張り感が出現。じっとしていても辛く、腕をグルグルを回していないと我慢できない。3ヶ月間、ずっと我慢していた結果、痛みと張り感は徐々に軽減し、ピーク時の半分以下になった。しっかり治したいと思い、以前に腰痛と坐骨神経痛の治療をした当院に再来院。
既往歴(これまでにかかった病気)
腰痛、坐骨神経痛
治療の内容と経過
ご本人は、強い肩こりのような症状であると認識していたが、診察したところ神経痛の症状であると判断した。判断に従って施術を行った結果、直ちに痛みと張り感が消失していった。一度の施術で治療は終了。
著しい効果が見られたツボ
夾脊(Th4)L、天宗Lまとめ
肩甲骨の上部から腕の後面に出る痛みは、胸椎の可動性が失われた結果、頚椎を巻き込んで発生していると考えている。このような症状に対し、直接的な原因として頚椎が取り上げられる場合が多いが、そもそも頚椎に問題を引き起こしているのが胸椎であるという考え方は浸透していない。このような症例では、経験上胸椎の可動性を回復させるように施術すると、早い回復が見込める。この症例でも速やかに改善することができた。
[YMKK190713]
症例1
患者
男性 10代 群馬県
来院
2008年3月
症状の特徴と経過
2008年2月18日、野球の練習で海外へ。気候が温暖だったため、国内よりも体の動きがよいと感じていた。しかし、20日に投球時に左肩甲骨の下縁から10cmくらいのところに痛みを感じ徐々に悪化していった(左投げ)。投球時、肘が前に出る瞬間に痛みで動きが止まり、投球後も痛みが10秒間くらい残る。痛みを我慢すれば投球が可能であるもののパフォーマンスは著しく低下。
他の症状
花粉症
既往歴(これまでにかかった病気)
野球による怪我が数回
治療の内容と経過
投球フォームを演じてもらい、痛みの出現場所とタイミングを念入りにチェックした。肩関節や肩甲骨の周囲の筋肉群には疼痛部位が見つからなかった。背中の大きな筋肉である広背筋も疑ったが、バタフライ(泳法)の動きをしても痛みが増悪しなかったことから、その深部にある腸肋筋(脊柱起立筋)のダメージが痛みの根源であると絞り込んだ。広背筋を伸ばすように腕を挙上させ前傾にすると、腸肋筋が手に触れやすい。術者の指先で探ると痛い部位を発見。このような時、疼痛部位だけでなく、その周辺の筋肉を和らげダメージ局所に負担が偏らないように調整する必要があるため、胸椎(背骨)と肩甲骨の周辺のこわばりを軽減させるように配慮して治療を行った。その結果、疼痛部位に触れずに痛みが半分程度に軽減し、さらに局所に軽い鍼をした後、半分以下に。翌朝は痛みが2割程度まで軽減。さらに翌日2回目の施術を行い、痛みはほとんど消失。若干違和感が残る程度だったので、様子をみてもらうことに。
著しい効果が見られたツボ
八椎下の左の骨際、中枢の左の骨際)、肩貞(左)、支正(左)
まとめ
日常生活では問題がなく、スポーツなどの独特な動きで痛みが発生する際には、その状況を再現しながら疼痛部位を確かめるように心がけている。また、ツボの反応も独特になることが多いことから、ツボの位置は教科書的なものにこだわらないようにしている。鍛えている肉体の場合、回復が速いのも特徴である。
[YMMS20080303]
症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。