肩痛・五十肩

すべての症例を掲載することが難しいため、一部を紹介します。

症例6 夜中も痛む肩痛 

患者

女性 40代

来院

2017年1月

症状と来院理由

2カ月ほど前から左肩に痛みが出現。当初は疲労が取れないと感じていたが、次第に痛みが強くなっていき、夜中に目を覚ますようになった。12月の中旬頃に肘の辺りにも痛みが現れるようになり、整骨院に通っていた。施術後は、一時的に改善したように感じるものの、仕事をすると肩の痛みがぶり返す。毎日左手で左前方にあるテープを引っ張り出す動作を千回以上繰り返すとのこと。仕事に支障をきたしている事を、知人に相談したところ、当院のことを紹介され来院された。

肩痛(五十肩?)の症例(鍼灸/群馬県伊勢崎市)

治療と経過

肩の動きを観察すると、内側に捻る動きで痛みが出現。肩の動きに脊柱が関わっていることから、脊柱のツボを調べたところ、顕著な緊張がみられた。鍼で緊張を解くと、すぐさま肩の動きに改善がみられた。しかし、痛みは変わらなかった。刺激が過剰にならないように、初回はここまでとした。
翌日の夕方から肩の痛みが2割まで軽減し、夜間に痛みで目を覚ますこともなくなった。2回目の施術では、脊柱の調整に加え、手首のツボに鍼をした。すると、さらに動きが改善し、痛みが消失した。その後も同様の施術を行った。計4回の施術で終了した。

同時に治療した症状

なし

使用した主なツボ

T5(1)R C5(1)L 篭掩L

考察

痛みは肩に出ていたが、その原因となる脊柱を整えて改善に導いた症例。初回の施術では、痛みが顕著に軽減することはなかったが、1日経って大幅に軽減した例である。
今回の場合、痛みにとらわれて、痛む局所に施術を重ねてしまうと、刺激が過剰となり炎症を増長させてしまう。こうした場合、動きの改善が見られた時点で、いったん手を引き待つことが必要である。どこで施術を終えるかを的確に判断することが重要である。[YFKA060117]

症例5 左肩を回すとバキッと音がして奧が痛む 

患者

男性 20代

来院

2016年8月

症状と来院理由

2015年11月、仕事で重い荷物を持ち上げた際に左肩に痛みが出現。左肩を回すと「バキッ」と音が鳴り、肩の奥の方が痛む。仕事場近くの病院で検査を行うが異常みられず、「筋肉の炎症」と診断された。リハビリを行うが、いっこうに痛みが治まらない。自宅近くの整形外科を受診したところ「スラップ損傷」と診断された。痛み止めの注射を打ち、痛みは一時的に軽減した。仕事で荷物を持つと痛みが再発。最近になって、左肩の痛みが我慢できず、職場の同僚に相談したところ、当院を紹介され来院。

鍼灸_肩痛_症例図_YMKT090816

治療と経過

前方挙上で左肩に引っかかりを感じる。背中のツボに鍼をすると、引っかかりが消失。次に、左手を前から右肩の方に伸ばす動作で、鎖骨付近に痛みがあった。左腕のツボに鍼をすると、痛みが8割ほど消失したため施術を終了した。2回目の来院の際、肩の痛みはほぼ消失していた。ただし、左手を前から右肩の方に伸ばす動作で違和感が残っていた。その日の朝、たまたま寝違いを起こし、頸を動かすと痛みがあるとのこと。その症状に対応するため膝のツボに鍼をしたところ、頸の動きが改善すると共に肩の違和感も消失。状態を安定させるため背中のツボに鍼をして終了した。計2回の治療で完治。

同時に治療した症状

頸の寝違い

使用した主なツボ

T4(1)L 孔最L 陰谷LR T4(3)L

考察

半年以上、悩んでいた左肩の痛みが2回の治療で消失した。肩関節が痛む時には、肩関節そのものに原因があると考えがちだが、根本的な原因は脊柱にあることが多い。この症例も、それを裏付けるかのように、脊柱の動きを整えた途端に、肩関節の改善が見られた。特に、半年もの間、治療しても改善しない症状は根本的な原因にアプローチできていない可能性がある。当院では多角的に症状を診ることで、根本的な解決を常に試みている。[YMKT090816]

 

症例4 バンザイすると鈍い痛みが出る

患者

女性 30代 埼玉県/上里町

来院

2014年5月

症状の特徴と経過

4月に自転車に乗っていたところ歩行者が急に飛び出してきた。とっさに避けようとして転倒。その際に、左側に倒れたため左手で体を支え腕に負担をかけた。それが原因かどうか定かではないが、それから左手を体の横からバンザイするように腕を挙上すると左肩の前面と後面に重いような鈍い痛みが出るようになった。痛みはあっても天井まで挙上できる。養気院_肩痛_症例_04

同時に治療した症状

肩こり 頚こり めまい

治療の内容と経過

仮に肩の関節に問題があれば挙上することすら難しい。実際に挙上動作をする様子を見ても、可動域制限は確認できなかった。ただし、動きは重くスピード感がなかった。肩関節の動きは胸椎に依存しているため、胸椎を調べてみると4番の右側(痛む肩とは反対側)に顕著な硬結があった。ここに鍼をしたところ、すぐさま肩の痛みが消えた。

使用した主なツボ

T4(1)R

考察

肩関節の動きに胸椎が関わっていることは、あまり知られていない。肩そのものダメージがなくても、衝撃を胸椎に受けた場合は肩関節の動きに問題が発生する。こうしたケースでは、レントゲンなどの検査で異常が見つからないため、一般的に「原因不明」とされてしまう。胸椎に関しても動きの問題だけで構造に異常がなければ画像に異常が写ることはない。観察と触診によってのみたどり着ける原因である。[YFSA240514]

 

症例3 腕で痺れて可動性が低下

患者

女性 30代 群馬県/伊勢崎市

来院

2013年6月

症状の特徴と経過

症例3の解説図バレーボールの練習中に、味方プレーヤーの肘が左肩に強く当たり、その直後から激突部位が痛み、腕が痺れるようになった。その翌日に来院。観ると、肩の可動域も日常動作が難しいほど著しく低下。

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

(肘が衝突した)三角筋という筋肉に熱感。大きな腫れはない。衝撃によって筋肉がダメージを受け、腫れによって神経を圧迫していると考えた。筋肉が回復すれば、痛みやしびれが解消されると思われる。そこで、筋肉の炎症をいち早く抑えるために、左手の甲にあるツボを利用した。刺鍼の直後から肩の可動域が改善(約30度広がる)。鍼をしたまま10分間休み、治療を終了。翌日には若干の痛みが残る程度。しびれは完全に消失。

著しい効果があったツボ

肩秤(左)

まとめ

怪我をした翌日に治療をしたことが、順調な回復に寄与したと考える。こうした症状の場合、ダメージを受けた患部に施術を行う場合は注意が必要で、慎重に行わないと症状を悪化させてしまうこともある。こうした際、遠隔から治療できる鍼灸はとても便利だと言える。[YFHK210613]

 

症例2 腕の神経痛

患者

女性 50代 群馬県

来院

2013年4月

症状の特徴と経過

昨年3月から右肩から右腕にかけてしびれたようなだるさを感じた。親指を引っ張っておくとラクなような感覚。整形外科を受診して痛み止めを処方され、強めにしたら痛みが軽減した。しかし、その頃から手首に痛みを感じるようになり、ストレッチなど試して来たが痛みは取れず、むしろ増して言った。肘、肩にも痛みが出現した。その後、症状に変化はなく現在に至る。

既往歴(これまでにかかった病気)

腎盂腎炎

治療の内容と経過

触診すると、大胸筋の緊張が過剰で、腕の付け根に近い部分を指で圧すると、症状が強くなる感覚が出ることがわかった(指の圧を緩めると普段通りの症状に戻る)。この部分が元凶となる神経痛と判断し、鍼で緩めた。すると、症状の大部分がその場で消えた。あらゆる運動を試しても痛みはほとんど出ない。

著しい効果があったツボ

中府(右)

まとめ

1年間悩み続けていた症状が、たった一本の鍼で速やかに緩解した。長く患っている症状であっても、原因にたどり着くことができると、その場で大幅に緩解するという一例である。1回の施術でこのような劇的な変化が常に期待してはいけないが、類似した症例は数が多い。
ただ、このような神経痛を伴う症状は、状態が安定するまで時間がかかるもあり、1回の施術で完治させられるケースの方が少ない。再び痛みが増す前に、または痛みが増したら直ちに次の施術をすることで安定した状態を持続させることができる。[YFKK050413]

 

症例1 腕を前に伸ばすと瞬間的に痛む

患者

男性 60代 群馬県

来院

2008年3月

症状の特徴と経過

1月中旬から、頚、肩、腕(上腕)に痛みが突然出現。発症当時、仕事が忙しくて労働時間が多く疲労していた。仕事では重い荷物を持つことが多い。痛みは右側の方が強く、肩を90度くらい屈曲(前習え)すると瞬間的に痛みが走る。そのため、腕を180度屈曲(ばんざい)することができない。夜間、痛みで目が覚めることもある。整形外科にてレントゲン撮影をしたが異常は見つからなかった。

既往歴(これまでにかかった病気)

特になし

治療の内容と経過

頚、肩、腕を触診すると症状の重い右側の方がこりが強い。レントゲンで異常が見つからず、可動域の制限は痛みによるものであった。そのため、過剰な筋緊張を和らげるだけで痛みが緩和できると考えた。頚、肩、腕を丁寧に触診する他、膝を触診すると右側に硬結(筋肉のこわばり)を発見したので緩めた。その結果、右の痛みはほぼ完全に消失し、左側の痛みは完全に消失し、可動域は元に戻った。

著しい効果があったツボ

後谿(右)、肩貞(右)、陽陵泉(右)

まとめ

2か月間悩んでいた痛みではあったが、関節に異常が見られなかったため、直後に著しい好転を見ることができた。このように、症状は軽くても改善のタイミングを失い迷路のはまるものは少なくない。また、この症例で注目したいのは、右の筋緊張を緩めただけで、左も即座に改善したことである。ここからわかるのは、原因は右側にあり、左側は体軸保持のために(仕方なく)筋緊張をしていたいうことである。

[YMSK20080321]

 

症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

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